【SG第32回グランプリ】桐生、逃げてGP初制覇

スポーツ報知
黄金のヘルメットをかぶった桐生(中)は渡辺直美(左)、坂上忍からGP初制覇を祝福された

 優勝賞金1億円をかけた今年のボートレース界の最高峰、SG第32回グランプリ(GP)の優勝戦は24日、ボートレース住之江の第12Rで行われた。桐生順平(31)=埼玉=が逃げてGP初制覇を成し遂げた。今年の獲得賞金は2億円を突破し、初の賞金王となった。また、SG・GPシリーズ戦の優勝戦は第11Rで争われ、イン速攻を決めた新田雄史(32)=三重=が4年ぶり2度目のSGタイトルを手にした。

 運も味方につけて、桐生がグランプリ初優勝を決めた。優勝戦は今節3度目のイン戦。コンマ16のスタートを決めると、1Mで後続を突き放した。「自分のターンができた。流れもきていたし、後は自分を信じるだけだと思いました」。黄金のヘルメットをかぶると「重い」とうれしさをかみしめた。

 トライアル(TR)2nd3回戦の枠番抽選。前日に続いて1号艇を引いた桐生に峰は「やっぱり桐生は持ってる」と舌を巻いた。その3回戦は石野にまくられ、バックでは最後方。2M全速で4番手まで浮上。2周1Mは寺田と茅原が大競り。あっさり差して2着に。一度は手放したファイナルの絶好枠を奪い返した。

 2号艇だったTR初戦も3コースの井口にまくられたが、すっと引いてつけまいへ変化。2着をキープした。優勝戦も「タイミングは(まくられた3回戦と)一緒なんですけどね」と苦笑い。しかし、ダッシュ勢は全員コンマ30台。勝利の女神は、桐生にご執心だった。

 GP初出場は14年の平和島大会。トライアル1stで敗退してシリーズ戦回りとなり、今までにない挫折感を味わった。悔しさをバネに3か月後の尼崎・クラシックでSG初優勝。15年のGPはベスト6で出場。16年は優出5着と着実に階段を上ってきた。

 07年5月のデビューから「SGでファンを沸かせられる選手になりたい」と精進してきた。こだわってきたのがターン。現状に満足することなく、進化を目指している。王者・松井をして「ターンは桐生が最先端」と言わしめるほどだ。

 1月末の地元記念前に、今年の目標を「進」という漢字で表現した。「一歩一歩、着実に前“進”していきたい」という理由からだった。そして、最大の目標として「グランプリを取りたい」と、決意していた。有言実行、それができるのが桐生という男だ。史上13人目となる2億円レーサーの称号も手に入れた。頂点に立ったが「もう一度、黄金のヘルメットをかぶりたい」と早くも連覇を宣言。陸上の100メートルでは桐生祥秀が日本人初の9秒台(9秒98)をマークしたが、水上の桐生もさらに加速する。(藤原 邦充)

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