ボートレース若松GI「第64回九州地区選手権競走」期待する2人のスーパールーキー

スポーツ報知
ファン待望のスーパールーキー・仲谷颯仁(左)と羽野直也

◆平成生まれのGI覇者で最優秀新人選手、羽野 直也(はの なおや)◆

 ファンが待ち望んだスーパールーキーの誕生。平成29年の最優秀新人選手にも選ばれた羽野は出世街道を一気に駆け上がっている。

 誰もがあっと驚いたGI初優勝は昨年10月の大村周年。エース機を手にする幸運も味方したが、その勝ち方がまた鮮烈。2コースからまくり攻めに出て、インの抵抗を受けそうになった瞬間、とっさに差しにチェンジ。とてもキャリア3年そこそこの新人が出来る芸当ではなかった。

 追加参戦を除けば、GI出場3回目、デビュー3年4か月と21日、22歳6か月でのGI制覇。平成生まれ初のGIウイナーが誕生した瞬間でもあった。12月の芦屋周年でも峰竜太を相手に惜敗の準優勝。今年に入っても勢いは衰えることなく、1月の唐津周年で優出。GI出場6回で実に優出が3回というハイペースは驚嘆に値する。

 師匠の別府正幸は、「陰で努力をしてますよ」とまな弟子の活躍に目を細める。訓練生時代から評判のセンスではあったが、水神祭に1年、B2級からも1年半脱却出来なかった下積みを経験したことで、才能だけに頼らず、人知れぬ努力を積み重ねているのは間違いない。

 「グランプリに出たい」と今年の目標は明確。3月のクラシックを初め、今年は恐らくほとんどのSGには出場出来そうなので、グランプリ出場の可能性は十分。それどころか、早ければ今年中にもSG覇者になるのではないだろうか?

 5月のSGオールスターファン投票の中間発表ではなんと7位! ファンの期待がいかに大きいかが分かる。そして、その期待に応える実力と勢いを兼ね備えている。今大会も、もちろん優勝候補の1人。ボート界に久々に誕生した大物ルーキーの出世物語を、とくとご覧あれ!

◆成長を続けるもう1人の新星、仲谷 颯仁(なかたに はやと)◆

 福岡が生んだスーパールーキーは羽野直也だけではない。1期後輩で同学年の仲谷も、近年まれに見るスピード出世を成し遂げている。

 昨年1月、記念初出走だった大村G2MB誕生祭でいきなり優出3着の活躍。GI初挑戦の7月びわこ周年でも予選を突破。9月の蒲郡ヤングダービーでは準優勝。一般戦では優出13回、優勝3回の荒稼ぎで、羽野との最優秀新人のタイトル争いでは序盤をリードした。

 羽野も「仲谷君がいたから頑張れた」と仲谷の存在に刺激を受けた。目標だった最優秀新人のタイトルは逃したが、2人の出世争いはまだ始まったばかり。

 かつての服部幸男と松井繁、あるいは浜野谷憲吾と山崎智也のように、良きライバルに恵まれた時の相乗効果は計り知れない。現に今年も唐津周年で羽野が優出すれば、仲谷もすぐさま徳山周年で優出。同じレース場ではなくとも、お互いを意識しているのは明白だ。

 師匠の川上剛は「今はもう、どっちが師匠か分からないですよ」とうれしい悲鳴を上げる。羽野と同様、才能にも恵まれているが、レースのない日はペラ小屋で情報収集とペラたたきの練習に明け暮れる日々。F2の試練を経験しているが、ここまでの順調な足取りに満足することなく、さらに上を見据えている。

 SGオールスターファン投票の中間発表では36位。若松でのオーシャンカップも出場をほぼ当確としており、今大会は「オーシャンカップが決まった分、気楽に走れそうですが、優勝してクラシックの出場権が欲しいです」と目標は大きい。

 若松ではフレッシュルーキーを務めたことで、誰よりも水面を熟知。正月戦では2年連続準優勝と実績も残した。羽野とのライバル対決は本当に楽しみでならない。

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