あすからボートレース児島「G1第61回中国地区選手権競走」

スポーツ報知
今年は4戦すべて優出し、からつに続くG1連続優勝を狙う前本

 ボートレース児島の「G1第61回中国地区選手権競走」は16日に初日を迎え、21日までの6日間、開催される。V候補が目白押しで激戦ムードが漂う中、気合が入るのはやはり地元の岡山支部勢。昨年は特別戦線で安定した戦いぶりを見せた吉田拡郎(35)もその一人だ。本紙では、吉田にインタビューを敢行。グランプリ制覇の野望を口にするとともに、今節にかける意気込みを示した。また、報知式モーター番付など予想に役立つ情報も届ける。

吉田拡郎、地元で勢いつけグランプリ制覇だ

 ―昨年を振り返って。

 去年は正月のフライングが非常に痛かった。いきなり年始めから我慢のレースですから。

 ―去年は10月の徳山G2でもフライング。最終日11Rの選抜戦1号艇でした。

 あれも痛かったですね。とにかくエンジンが出てなかった。でも、年末を考えると、賞金を少しでも上積みしたくて…

 ―ただ、9月の住之江・高松宮記念では6号艇で優勝しました。

 あれは宝くじに当たったようなもん。優勝戦は大恵まれでした(1号艇の岡村仁がフライング。2、3番手にいた井口佳典と峰竜太が2Mで大競りし、先頭へ浮上)。でも、予選道中の内容は良かったと思います。

 ―自身2度目のG1制覇でした。

 上滝(選手会長)さんから「1度はまぐれ、2回目で実力」と言われていたので、取れてよかったです。SGも2回目を取りたいですね。

 ―昨年はグレードレース(G2、G1、SG)を16節走り、準優に乗れなかったのは4節だけ。安定感がありました。

 でも優出が少ない(3回)。勇気がないんでしょうね。思い切った調整をしていない。ある程度の足で納得して、無難に着をまとめている。今年は(調整面でも)チャレンジしていきたい。

 ―児島のイメージは?

 悪くないですよ。去年のゴールデンウィークも、お盆のレースも予選はトップ通過でしたし。ただ、5月は準優で失敗して8月は優勝戦で平尾さんにやられたんですけどね。

 ―趣味の将棋熱は相変わらず冷めない?

 当分、熱は冷めないですね~。羽生さんと、藤井五段の対戦も楽しみです。

 ―白井英治選手も将棋が強いと聞きました。

 そうなんですよ。最初は全然かなわなくて。「拡郎、将棋強くなったな」ってのせられて、やったらボロ負け。悔しいので本を買って勉強を始めたらはまりました。今の棋力は互角だと思います。

 ―うちのボートレース担当に東大将棋部元部長の記者がいますよ。

 正永さんでしょ。知ってますよ。スマホの将棋アプリで何度か対戦しました。(ここ2局は)勝てないんですよねー。よし、今年の目標は将棋で正永さんに勝つことにしましょう!

 ―本業の目標は?

 グランプリに勝つことです。今年最初の記念だった、からつG1も内容は悪くなかった。オーシャンカップの選考順位もいい位置にいるので、児島で勢いに乗りたいですね。(構成・藤原 邦充)

 ◆吉田 拡郎(よしだ・かくろう) 1982年4月18日、岡山県出身。35歳。02年3月、90期として選手登録。同年5月、児島・タイトル戦で初出走1着デビュー。04年10月、児島・一般戦で初優勝。14年4月、大村・周年記念でG1初制覇。同年7月、まるがめ・オーシャンカップでSG初優勝。170センチ、57キロ。同期には石野貴之、渡辺雄一郎らがいる。

三島記者オススメは前本泰和

 広島が生んだ“鬼”強いレーサー・前本選手をイチオシします。どんなエンジンも上位級に出してしまう調整手腕に、コース取りから果敢なレーススタイルは、いつでもどこでも安定感たっぷりです。

 12日現在の賞金ランキングは2位(1位の笠原選手とは約60万円差)。今年の4月には46歳と“アラフィフ”が近づいてきているのに、衰えるどころかドンドン強くなり続けているのがスゴイです。

 昨年はSGオーシャンカップ(まるがめ)で準V、ボートレースダービー(平和島)で優勝戦5着と最高舞台で大活躍し、デビュー26年目にしてついに初のグランプリ出場も果たしました。グランプリ連続出場に向け、今年も年始からパワー全開です。出場した4節のすべてで優出。1月下旬に行われたからつ周年の優勝戦では、4号艇から混戦を制して自身5度目のG1制覇を飾りました。

 全国24場制覇も成し遂げていて、どこの場でも変わらないパフォーマンスを発揮するスーパーレーサー。なかでも児島は、2007年11月の開設55周年記念でG1初優勝を果たした思い出深い水面。13年6月には、1500勝の節目も児島で迎えており、何かと縁があるレース場です。近況も好調で、15年11月の周年で優勝戦3着、16年1月には一般戦を10戦8勝でVと優秀な成績を収めています。最近の勢いなら、からつに続くG1連続優勝も夢ではありません。(三島 英子)

展望

 主力にはSG戦線で活躍する面々が数多くそろっている。なかでも、辻栄蔵が安定感では一番。昨年は惜しくも12月住之江のGPシリーズ回りだったがベスト18入り(6着)。今年も1月大村のG2誕生祭で優出4着、からつのG1周年記念で準優入り(3着)と特別戦線で活躍中だ。

 昨年、大躍進した寺田祥は今年に入っても直前に走った徳山のG1周年記念で優出(3着)するなど調子はよさそう。

 地元勢では平尾崇典が1月江戸川で準パーフェクト優勝と勝負強さを発揮。児島は過去3年で7優出して4V。今年の正月戦でも優出2着と力強い走りをみせている。

 広島支部では辻のほか前本泰和、山口剛に市川哲也がV候補。今期勝率7点アップと船岡洋一郎が好リズム。新鋭王座決定戦以外では初G1となる西野翔太のスピード戦にも注目したい。

 山口支部は寺田とともに白井英治がV候補。谷村一哉、大峯豊、原田篤志も機力万全なら上位浮上を果たしそう。また昨年、徳山の中国地区選でG1初優出(2着)の柳生泰二も再現を狙う。

 岡山支部は茅原悠紀、吉田拡郎が平尾とともに地元G1優勝へ気合が入る。爆発力がある山口達也、売り出し中の村岡賢人も大暴れするか。

 女子では近況好調の海野ゆかりをはじめ、地元の守屋美穂、金田幸子、樋口由加里が期待できる。

 モーター番付

 児島は今年1月11日初日の開催から新エンジンとなり、同時に新ペラになった。この地区選が使用5節目。各3節しか使っていないため、相場はまだ固まっていない。素直に勝率上位のエンジンに良機が多い。

 エース機候補の一番手は「21」だ。初使用の時に乗った東健介は10走して4勝、2着5本、3着1本のオール3連対と安定した内容で優勝。「足は全部よかった。特に競り合いに強かったですね」と東も絶賛。2節前の小池公生は3日目までオール3連対と好走。4日目に転覆して心配されたが、その後も2勝と気配落ちはない。前節の出畑孝典もレース足がよく、実戦で猛威をふるいそう。

 「60」は使った3節いずれも好脚勢だった。特に、2節前の入沢友治は強伸びを発揮して優出(3着)。調整が合えばターン足もよくなる万能型の良機だ。

 大関の「42」と「41」はともに伸びが良好。調整次第でパワフルになりそうなエンジンだ。

 「28」は初使用の中村亮太が抜群の足をみせた。「53」や「49」はレース足が上々。「37」は3節前の西島義則が好出足を生かし優勝。「54」は上昇ムードで、「58」は好バランスのエンジンだ。

ギャンブル

×