【あす開幕ボートレース戸田 G1戸田プリムローズ】桐生がV2狙う

スポーツ報知
昨年のMVP男桐生が地元周年連覇を目指す

 ボートレース戸田の開設61周年記念G1戸田プリムローズは27日から3月4日まで開催される。SG覇者が18人、昨年末のグランプリ(GP)優勝戦に進出した5人が出場する。昨年のSGグランプリ覇者で地元・埼玉支部のエース・桐生順平(31)が大会連覇を狙う。地元・埼玉支部から桐生、須藤博倫、中田竜太ら7人が参戦。遠征勢は松井繁、石野貴之、井口佳典、菊地孝平、毒島誠、白井英治、茅原悠紀、篠崎元志らが出場。初日(27日)12Rで「ウインビードリーム」、2日目(28日)12Rで「ウインクドリーム」と、2つのドリーム戦が行われる。

昨年MVP「いつでも挑戦者」

 昨年MVPの桐生が地元周年連覇に挑む。「優勝だけを目指します。良い結果が残せるようにしたい」。きっぱりと言い切った。

 2017年、ボートレース界の“頂点”に立った。まずは1月の地元周年を初制覇した。優勝戦はインからコンマ05のトップタイミングで飛び出し、真っ先に1Mを先まい。2コースの峰竜太を封じてバックで独走スタイルを築いて優勝。3月の児島クラシックで15年大会以来、2度目のSGを奪取した。12月の鳴門64周年で6度目のG1優勝を飾り、暮れのグランプリ(GP、住之江)へ。TR2ndから登場し2、1、2着、得点率トップで優勝戦1号艇を獲得。きっちりと逃げ切った。「仕上がりもレースも完璧。GP制覇は選手になってからの目標だったので勝つことができてうれしかった」と振り返る。

 最大の武器はスピード満点のターンだ。「最近はターンで合わされるシーンも増えたし、もっと別のターンも考えないといけないですね」と言う。常に努力を怠らない姿勢で更なる進化を目指している。

 今年は5戦を消化してまだ優勝がない。G1関東地区選手権(江戸川)は準優3着で惜しくも優出ならず。それでも前回の浜名湖一般戦は4連勝で優出し、リズムアップして迎える地元の大一番だ。「ここから、今年もいい流れを作っていきたい」と言う。

 デビュー初V、G1初Vを飾った地元への思いは強い。来年3月には戸田でSGクラシックが開催される。「地元のSGは、もちろん出たい。G1を優勝すれば出場できるので、今回も大事な戦いです」。今大会優勝なら、一気に地元クラシック出場権も獲得できる。「埼玉のみんなも出場に向け一丸となっている。地元からたくさんSGに出場すれば、支部の活性化にもなります」。

 賞金王となっても謙虚な気持ちも忘れていない。「今年もファンを魅了するレースがしたい。GPを優勝しても僕はいつでも挑戦者。目の前の一走、一走に全力で挑んでいるので。ファンの方にとって常に『買い時』である選手でいたい」。関東のエースが、地元記念連覇、7度目のG1制覇、地元SG出場権の獲得を目指す。(平田 裕二)

佐藤まくりで勝負

 着実に力をつけている佐藤翼がG1初優勝を地元記念で成し遂げる。昨年はスタート事故に苦しみ、F90日休みで今期は1月中旬からの出走。それでも休み明けの多摩川は優出4着。続いた徳山は優出2着とレース勘の不安を一掃。逆境を乗り越えた分、強さが増した印象だ。

 今月江戸川で行われたG1「関東地区選手権」は連勝発進。2号艇だった準優は惜しくも3着で優出こそ逃したが、最終日の前半は5コースから道中で競り勝ち、3連単2万超えの高配当を演出。節間4勝をマークして存在感を十分にアピールした。

 戸田は昨年8月の一般戦以来の出場となる。「僕はまくりが好きで伸びが良ければ自力攻め。出足がしっかりしている良いモーターを引きたいですね」。インの弱い戸田で育った誰もが認める超攻撃派。果敢な攻撃で内を沈めていく走りっぷりで、大きな翼を羽ばたかせる。

中田地元周年初Vだ

 中田竜太は今年1月のバトルトーナメント(福岡)で、早々と優勝を飾った。「今年はたくさん優勝したい。来年は戸田でクラシックがありますから。地元のSGは出たいですから」。地元開催のクラシックに出場するために、とにかく優勝回数を積み重ねる。目標通りの好スタートを切った。2月上旬の児島の一般戦でも、予選を1位で突破し、準優も逃げて、優勝戦1号艇をゲット。きっちり逃げて、早くも2度目の優勝を手にした。

 昨年は4月にまるがめの周年でG1を初制覇すると、ヤングダービー(蒲郡)のタイトルも獲得した。賞金ランク15位で年末のグランプリ初出場も果たした。トライアル1stで5着、6着に終わった。「緊張感もあるし、特別な大会。自分の弱い部分がモロに出た。もっと力をつけたい。また戻ってきたいと、心の底から思いました」。

 妻で同じくボートレーサーの浜田亜理沙は中田のことを「とにかく仕事に対して真面目」と言う。家でもペラの調整について話しをする。浜田のやり方を真似て、調子がよかったこともあるという。

 “真面目男”が地元の記念初制覇を狙う。

エンジン分析

 前回大会ではスーパーエース機「戸田の44号」が注目されたが、現在使用されているエンジンは機力差がなく、絶対的エース機は存在しない。昨年7月から使用されているが、最多優勝回数が2回で複数機存在していることからも分かる。「ここは包まれるとないから」と戸田では直線系を求める選手が多い。まずはストレートが好調なエンジンには注目が必要だ。

 “押し出されたエース機”の感じは否めないが、4号機の評価が一番高い。2連対率が51・67%とトップの数字をマークしている。ただ、1月のマスターズリーグで転覆し、強力だった伸びに影響が見られる。前繰者の平田健之佑は「出足、行き足とスタート付近がいい」と傾向が変化した感じがある。一方で操縦性に難があり、乗りづらさを指摘する選手もいる。

 トータルのバランスでは20号機がトップクラスだ。優勝戦には最多の9回進出している。優勝回数が1回とさびしいが、出足寄りで、伸びも悪くない。着実に上位着でまとめている。

 47号機は出足系が良く、実戦で上位着を狙えるタイプだ。12号機は7月の初おろしシリーズを制覇した。その後も、高いレベルを維持している。現エンジンのレコードは29号機の1分46秒7だが、その前は34号機が持っていた。ターン回りが特徴だ。旋回でスピードが落ちることがなく、出口での押しもある。ターンスピードが速い選手が引くと、面白い存在になる。

 今年は6節行われているが、優勝エンジンが全部異なる。正月開催では上位機がすべて出されていたが、当時30%未満の6号機が圧倒した。直前のシリーズでは前検で複勝率ワーストの39号機が優勝している。(大野 英之)

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