【巨人】ドラ1鍬原、開幕危機…新人合同自主トレ初日からいきなり別メニュー

スポーツ報知
新人合同自主トレ中、全体練習から離れてネットスローで調整する鍬原(カメラ・矢口 亨)

 巨人のドラフト1位、鍬原拓也投手(21)=中大=の開幕1軍に早くも黄信号がともった。新人合同自主トレが9日、G球場でスタート。鍬原は、高橋由伸監督(42)ら首脳陣が見守る前で、上半身のコンディション不良を理由に一部別メニューで調整した。斎藤投手コーチは「オールスター前後で投げてくれれば」と前半戦絶望まで示唆した。

 新人合同自主トレ初日。全体でのアップ、ランニングメニューを終えたあと、鍬原だけが室内練習場へ向かった。トレーナーが付き添ってネットスローを20球行った後、再び外へ出てキャッチボールを始めたが、他の選手が50メートルほど距離を伸ばす中、鍬原は15メートル程度だけ。球団が「上半身のコンディション不良で大事を取って別メニュー」と説明したのは、その直後だった。

 ノックでも一塁に入って送球は回避。一方で軽快にゴロを捕球し、ティー打撃も行った動きを見るに、右腕のどこかに問題を抱えているのだろう。本人は「しっかり4月に合わせて逆算してやってる途中。焦らずゆっくり自分のペースを守ってやりたい」と話すにとどめた。当然、キャンプインと同時のブルペン入りは頭に描いていない。由伸監督は昨年11月23日、ファンフェスタでG党にお披露目された新人たちに「しっかりアピールできるような状態で(合同自主トレに)来なさい」と指令していたことを明かした。厳しい言い方になるがコンディション調整は、プロとして第一の仕事。はやる気持ちはあったかもしれないが、そこは責任を果たしてほしかった。

 火がついたのは斎藤投手コーチだ。「(1軍の)キャンプに来られない時点で俺は開幕には間に合わないんじゃないかなと思う」とバッサリ。アピールの場に立てないのだから当然だろう。昨年は、ドラフト会議直後に右肘を手術した畠の1軍デビューが7月までずれ込んだ。同コーチは鍬原について「じゃあオールスターの前後で投げてくれれば」と前半戦不在すら覚悟し始めている。先発の柱として昨季14勝を挙げたマイコラスが抜け「1人でも新しい力がほしい。マイコラスの穴は埋まらないと思っている。みんなでやるしかないのに」と当てにしていた分、ショックも相当だ。

 ただ、1年前のこの日、完全にノースローだった畠は後半戦にローテに定着し、ポテンシャルを発揮した。それに比べれば、軽めとはいえ投げ始めている鍬原はリハビリの段階で言うならば1歩も2歩も進んでいる。開幕に間に合わせる自信を問われ「あります! 大丈夫です」と答えた黄金ルーキーの言葉を、今は信じたい。(西村 茂展)

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