【巨人】杉内「負けるな」鹿児島登板へ星野さん言葉を力に

スポーツ報知
自主トレを公開し、入念にキャッチボールを行う杉内(カメラ・岩下 翔太)

 巨人・杉内俊哉投手(37)が11日、4日に膵臓(すいぞう)がんのため死去した星野仙一さん(享年70)の闘魂を受け継いで完全復活を目指す。鹿児島・薩摩川内市内で自主トレを公開。左肩痛のため控えていたキャッチボールも再開し、順調な回復をアピールした。

 雪化粧をまとった薩摩川内の地。杉内は熱い思いを胸に腕を振った。1月に入り、本格的にキャッチボールを再開した。最長40メートルの距離を約15分間。「(状態は)3、40%」と言うが、伸びのある直球は健在だ。「今のところ順調。キャッチボールも徐々に距離は伸びてきてる」と手応えを口にした。

 2008年の北京五輪では星野監督のもと代表メンバーとして参加。悲報は驚きだった。「何かの間違いかと思って…。ショックですよね」。勝利に対する執念を肌で感じた。星野さんからは、常に同じ言葉をかけられた。「並々ならぬ『負けるな』という言葉をいただきました」。15年10月に右股関節の大手術を受け復活の兆しを見せたが、昨季は左肩痛で2年連続1軍登板なし。星野さんの「負けるな」を胸に逆境からはい上がる。

 プロ17年目の今季、5月15、16日は鹿児島でヤクルト戦が開催される。鹿児島実出身の左腕にとって、凱旋となるカードをモチベーションに1軍復活を見据えている。「1軍のマウンドに上がらない限り話にならない。もう一回投げてる姿を、鹿児島のファンの人にも投げてる姿を見せたい。まずはしっかり2軍で抑えないと」。通算150勝まで残り8勝。今年に懸ける思いは強い。(玉寄 穂波)

 ◆G杉内の経過

 ▽15年10月 球界に前例のない右股関節形成手術。

 ▽同12月 車椅子生活から自力歩行開始。90%減となる4億5000万円減で契約更改。

 ▽16年7月 3軍で実戦復帰。

 ▽同11月 1軍登板なしに終わり宮崎秋季キャンプに30代で唯一、参加。

 ▽同12月 現状維持の年俸5000万円で契約更改。「2ケタ勝てる自信ある」

 ▽17年3月 オープン戦・ソフトバンク戦(ヤフオクD)で2年ぶり1軍登板。

 ▽同4月 左肩痛発症。2軍で3登板2勝1敗。5月以降、実戦登板なし。

 ▽同11月 50%減の年俸2500万円で契約更改。

防0・84

 ◆杉内の北京五輪 08年8月、星野監督の下で日本代表入りを果たした。同15日の1次リーグ・オランダ戦で五輪初先発を果たすと、7回4安打無失点の好投を披露。勢いを買われ、準決勝・韓国戦でも先発に抜てき。4回途中1失点と試合を作ったが、降板後に逆転されて敗退した。2試合で1勝0敗、防御率0・84と実力を発揮したが、チームはメダルを逃す結果となった。

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