【巨人】由伸監督、広島に走力戦 阿部もマギーもゲレーロも「1個でも先の塁を」

スポーツ報知
スタッフ会議を終え、厳しい表情で引き揚げる高橋監督(カメラ・竜田 卓)

 巨人は15日、都内で宮崎キャンプに向けたスタッフ会議を行った。老川オーナーらも出席する中、高橋由伸監督(42)は「打倒・広島」からの日本一を約束。昨季の広島との総得点200点差を、打って走っての「ヒット&チャージ」で埋める考えを披露し、こう言い切った。「足を使えるチームにしたい」

 由伸監督の決意表明を、会議に出席したスタッフ全員が重く受け止めた。優勝しかない―。会議後の会見でも、指揮官の言葉に力がこもった。「目標は当然優勝することだし、我々に求められていることはチームが勝つこと、勝たせること。そこに向けてチームを作ることが与えられた使命だと思っている」

 11年ぶりのBクラスに低迷した昨季。敗因は、連覇した広島に7勝18敗の大敗を喫したことだ。「一つ二つの理由であれだけ一方的な数字になったとは思っていない。課題はたくさんある。今日のミーティングの中で挙がった部分もあるけど、それ以外の部分もこれから検討して対策していきたい」。防御率3・31は、カープの3・39を上回っている。弱点は明白。攻撃力だ。

 昨季の総得点536は広島より200点少ない。盗塁数56はちょうど半分だった。指揮官は「打つ以外の走ることや戦術面だったり、いろんな面で補っていかないといけない。打つだけで一気に埋まるとは思っていない」と天敵の力を認めた上で盗塁やエンドラン、スクイズ、ギャンブルスタートなど、機動力の精度を高める必要性を説いた。村田ヘッドも「生まれ持った足の速さをすぐには変えられない。1個でも先の塁を狙う意識を持つ。一、二塁と一、三塁では大きな違いだから」と語った。

 重信や吉川尚ら足のスペシャリストは多い。だが、お世辞にも速いとは言えない阿部や外国人選手にも、練習から先の塁を狙う意識改革を徹底させるようだ。由伸監督は「走れる人間がいるのは事実だけど、それをどう生かすかというところで、我々もそうだし、本人たちもそう。両方の課題なのかなと思う」と見つめ直し「足を使えるチームにはしたい」と言い切った。

 打線には、昨年のセ本塁打王ゲレーロ(35本)が加わる。確実に攻撃力は上がる。そこにスキのない“足攻”が機能すれば“200点差”は埋まるはずだ。指揮官は「対広島もそうだけど、前半から交流戦にかけての低迷は、最後まで響いた。前半戦の戦い方は大きな課題になると思っている」とも見据えた。出直す覚悟がにじみ出ていた。(水井 基博)

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