【巨人】“超”菅野、突然初ブルペン!ファンも選手もクギづけ…エースはまた進化していた

スポーツ報知
ブルペンで圧巻の投球を披露した菅野(中央=カメラ・竜田 卓)

 巨人・菅野智之投手(28)が宮崎合同自主トレ2日目の29日、圧巻の初ブルペンを披露した。

 木の花ドームでドラフト2位の岸田=大阪ガス=を立たせて、新球・高速シンカー、切れ味抜群のスライダー、ワンシーム、カットボールを交えて27球を投げた。捕手の後ろから見ていた坂本勇、長野、マシソンらも進化を続けるエースのボールに驚がく。球場内の全員が視線を送る“視聴率100%”の中、昨年17勝の沢村賞投手が、堂々のピッチングを見せつけた。

 周囲の視線が菅野だけに注がれた。8人の投手がブルペンに入った後、突然、一番端のマウンドに上がった。にこやかに登場したエースに、誰もが胸を躍らせた。1球目を投げると、岸田の乾いたミットの音が木の花ドームに鳴り響いた。

 誰もが目を見開いた。7割程度の力だというが、直球の回転数、スピードは驚異的。岸田の構えたところに気持ち良く収まる。直球の他に新球・高速シンカーは3球、ワンシーム、カットボールを数球ずつ交え、計27球の圧巻ショーだ。

 「ハワイから帰ってきて時差、気温の差がある。体と相談してという感じだった。でも、思ったより体も動きました」

 温暖なハワイで約1週間前まで練習していた影響を考慮、当初はこの日、ブルペン入りはしない予定だった。途中から坂本勇、長野が捕手の真後ろに立って熱視線を送った。ブルペン投球を終えたマシソン、小林も加わり、それぞれが思い思いの声を上げた。

 マシソン「(直球は)すごい速いね。僕より速いんじゃないかな」

 坂本勇「全部がすごかった。スライダーもすごかった」

 小林「いい球がきてました。しっかり仕上げているのを見ると、さすがと思います」

 岸田「思っていた以上にすごくて。変化球の曲がりもびっくりした。マウンドに立っている姿、立ち姿が違うなと感じたし、迫力を感じました」

 中でも群を抜いていたのはスライダーだった。手元を離れた瞬間は直球と同じ軌道だったが、打者の手元付近でクイッと曲がる。初めて受けた岸田は目を見開き、顔をよけるように捕球した。このときばかりは坂本勇も「エグいっ! めっちゃ曲がった」と大はしゃぎだった。

 昨季は17勝5敗、187回1/3、防御率1・59で初の最多勝、3度目の最優秀防御率、初の沢村賞を受賞した。16年には握力を鍛え重い球質を手に入れ、WBCがあった昨年は1月中にブルペンに入る早い仕上げに着手しても「WBCに出たから、と言っているようではそれまでの選手」と自身キャリアハイの数字といっていい数字を残した。今年はすでに開幕投手にも内定。だが、現状に満足せずオフはシンカーを習得した。直球の軌道から急に落ちると言った岸田は「直球を打ちにいったら、ずらされるかなというボール」と説明。飽くなき探求心があるから、成長を止めることはない。

 投球を終えた菅野は「(感触は)そこまでわからない。でも、楽しく投げれました」と言い「徐々にみんなも気持ちが高まってきてる。先頭に立って盛り上げてチームを団結できるように」と、うなずいた。球界のエースになりつつある19番は、どこまで進化するのだろうか。(玉寄 穂波)

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