【巨人】長野、鬼肩200% 100メートル大遠投“ズドン”

スポーツ報知
外野ノックで軽快な動きを見せる長野(カメラ・竜田 卓)

 巨人の長野久義外野手(33)が29日、早くも100メートルの遠投を披露して強肩復活を印象づけた。例年ならじっくり、ゆっくり調整を進めている時期だが、今年の背番号7はひと味も、ふた味も違う。13年シーズンに3度の右ゴロを記録した、あのレーザービームがまた見られるかもしれない。長野番の尾形記者も、状態の良さにびっくり。「見た」で復活を確信した。

 軽快にステップを踏んで落下点に入ると、長野は流れるような鮮やかな動作から右腕を振り抜いた。外野ノックの返球で、ボールはやや山なりながら、空中でさらに勢いを増したように伸び、返球を待つスタッフのはるか頭上を通過。その後方にいた報道陣にあわや直撃、という約100メートルの大遠投となった。大勢が悲鳴を上げながら逃げまどう様子に、小さくガッツポーズ。「へへへ、狙い通りです」と笑い声を上げた。

 今年の長野は違う。宮崎合同自主トレはまだ2日目だが、そう思わせてくれるには十分だ。例年のこの時期ならボールを投げる距離は40~50メートル程度だから、異例ともいえる仕上がりの早さ。「元気そうって? ねぇ…。元気ですよねぇ、ホントに」。なぜか人ごとのようだったが、大遠投直前にキャッチボール相手を務めた山岸打撃投手は「少し力を入れた時の球の回転、伸びがすごいです。『グン』『ズドン』と来ていました」と証言した。ダッシュ1本にしても、いつもならゴール手前10メートルあたりから明らかに流すところ、最後まで真面目に走りきっている。まあ、当たり前と言ってしまえばそれまでなのだが…。

 あの超絶レーザービームが、また見られるかもしれない。長野は13年5月15日のロッテ戦、9月12日のDeNA戦、10月2日のヤクルト戦と、シーズンで3度の右ゴロを記録。巨人では70年ぶりとなる偉業だった。14年オフに右肘・右膝のダブル手術を受けた影響で、その後は思うようなパフォーマンスができていなかったが、もともと守備能力にも優れていた選手。あの頃のような素早いチャージとスローイングが復活すれば、再び右ゴロの大技でスタンドを沸かせてくれるだろう。

 今オフは約1か月間も消息を絶って「隠密トレ」に励んだ。昨年までのグアム自主トレは、日焼けがメインとも思えるほどのスロー調整だったが、今年は雲隠れ中にきっちり技術練習も進めてきたという。「僕のことはそっとしておいてください」と相変わらず口数は少ないが、動きを見れば一目瞭然。長野の全身からあふれる躍動感が、全てを物語っている。(長野番・尾形 圭亮)

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