【巨人】変われ尚輝! 由伸監督が強化選手指定「すごく楽しみな選手」開幕レギュラーへ育成

スポーツ報知
全体ミーティングで選手たちの前に立ち、あいさつを行う高橋監督(カメラ・矢口 亨)

 巨人・高橋由伸監督(42)が31日、いよいよスタートする1軍キャンプ(宮崎~沖縄・那覇)の強化指定選手に、2年目の吉川尚輝内野手(22)を指名した。昨年は上半身のコンディション不良もあり1軍5試合の出場に終わった16年ドラフト1位は、昨秋の宮崎キャンプから存在感を発揮。「すごく楽しみな選手」と開幕レギュラーへと育成していく方針だ。期待通りの動きを見せれば、オープン戦の全試合出場権も与える意向もあり、熱視線を送り続ける。スポーツ報知では由伸監督直筆のスローガン「奮輝」を題字に採用し、V奪回を狙うチームを追い続けます。

 長いオフも終わりを告げた。新たな戦いへ、由伸監督は散髪などで身を正し、来たるキャンプインへと準備を整えた。夕方の全体ミーティング。ナインの前に立ち、覚悟を示した。

 「昨シーズンの悔しい結果をしっかりと受け止めて、あくまで挑戦者として強い覚悟、危機感を持って今シーズンをやり抜くことが必要だと思う。目の前のプレーに最善を尽くし、当たり前のことを当たり前にできることが強いチーム。若手、中堅、ベテラン、それぞれが高いレベルで競争してチーム力を高め、強い巨人を取り戻すために1年間頑張ろう」

 11年ぶりに味わったBクラスから、悲願の日本一奪回へ。チームは変わる時が来た。「若い選手に期待するキャンプにしたい」と言うように、若手の台頭が今季の命運を左右する。普段はあえて個人名を明かさない指揮官だが「強化指定は吉川尚か?」の問いに「そうだね。そのつもりだよ」と言い切った。正月の本紙インタビューでも「二塁レギュラーの筆頭候補にいる」と語るなど、昨年の“ドラ1ルーキー”がカギを握る存在と確信しているようだった。

 ポテンシャルは相当高い。昨年10月3日、シーズン最終戦となったヤクルト戦(神宮)で猛打賞をマークし、由伸監督の目に留まった。昨秋の宮崎キャンプでは体力面の不安も払拭した。3拍子そろった逸材に「まずはキャンプでやれるところをもう一度見せてもらわないとね」と注視し、期待通りのパフォーマンスを見せれば、オープン戦に積極的に出場させる考えも披露した。

 就任1年目、16年の春季キャンプでは、高卒2年目の岡本を強化指定に指名。オープン戦19試合中、18戦に出場させて経験を積ませた。若手は全員、横一線からのスタートではあるが、由伸監督の中で選手への期待値はそれぞれ違う。岡本や重信、石川や山本、松原や新人選手への期待も高いが、「セカンドは長いことレギュラーを固定できていない」というのも課題の一つ。新スターを育てるべく、吉川尚には各コーチ陣も含め、常に熱視線を送り続ける。

 現時点でのレギュラーは勇人とマギー、ゲレーロの3人だけ。ここに誰が続くか。阿部や長野、陽岱鋼らの現有戦力を追いやれるのか。熱く、激しい春が始まる。(水井 基博)

 ◆近年の巨人春季キャンプ“強化指定選手”

 ▼14年 “指導者デビュー”となったOBの松井秀喜臨時コーチ(元ヤンキース)がキャンプ2軍スタートとなった大田、中井、宮国を球団の意向で重点強化。大田に個人指導したり、宮国の投球練習に熱視線を送り「内角を使え」と打者目線で助言した。大田はそのシーズン自己最多の44試合に出場。

 ▼16年 プロ2年目で初の1軍キャンプスタートを切った岡本が強化指定。オープン戦でも18試合にスタメン出場したが、打率1割6分4厘と不振のため最終戦後に2軍降格となった。

 ▼17年 高橋監督が岡本、重信に期待。重信が実戦21試合で12盗塁を決めれば、岡本も打率2割4分1厘ながら2本塁打と長打力をアピール。重信は2年連続の、岡本は3年目で初の開幕1軍をつかんだ。

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