【巨人】長身ヤングマン、インステップ投法で“異次元の角度”初お披露目

巨人の新助っ人右腕、テイラー・ヤングマン投手(28)が1日、キャンプインと同時にブルペン入り。左足を極端に三塁側に踏み出すインステップ投法による“異次元の角度”が完全お披露目となった。斎藤投手総合コーチも「打者が立った時の反応が見てみたい」と実戦を心待ちにした。あいさつ代わりには十分すぎるインパクトを残した27球の投球練習となった。
キャンプ初日に“異次元の角度”がベールを脱いだ。ヤングマンがノーワインドアップのモーションから、左足を踏み出す。着地させたのは、マウンドの中心から50センチ以上、三塁側寄りだ。鋭角な球が、右打者の外角に構えた捕手のミットを叩いた。「まだ最初(のブルペン)だったんで何とも言えないけどね。もっと自分の投球をできるようにしたい」。名刺代わりとなる27球の投球練習だった。
キャッチボールを終えると、いの一番でブルペンに飛び出してきた。この日の宮崎は雨も降って、底冷えするような寒さだったが、半袖のアンダーシャツで登場。「住んでいた(テキサス州)オースティンは今年は特に寒く、そんなに差はなかった」。メジャーに比べ、軟らかいとされるマウンドも「特に気になるものでもなかった」と問題にしないのも頼もしい。
周囲の評価も上々だ。映像では確認していた斎藤投手総合コーチも初めて生でチェックし「うわさになっている通りのインステップ投法だね。自分の思うようなところに投げられれば、面白い。打者が立って(相手の反応が)どうなるか見てみたい」と実戦デビューを心待ちにした。実際に受けた用松ブルペン捕手も「なかなか見られない軌道。右打者は怖いと思います」と証言。視察に訪れた阪神のスコアラー陣も警戒を強めるように、手帳に特徴を書き込んだ。
武器は角度だけじゃない。決め球のパワーカーブも初めて披露した。通常のカーブより速く、それでも十分にブレーキがかかり、大きな落差があった。「決め球として、大きな力になっている」。さらに直球、ツーシームとチェンジアップを加えた4球種が、投球の軸になる。「開幕に向けてしっかりと準備をしていきたい」。この日はあくまで試運転。全米ドラ1の本領を、これから発揮していく。(西村 茂展)
◆テイラー・ヤングマン(Taylor Jungmann)1989年12月18日、米テキサス州生まれ。28歳。2011年ドラフト1巡目(全体12位)でブルワーズ入り。15年にメジャーデビューし、同年9勝をマーク。昨季は3Aで9勝2敗、防御率2・59と安定した成績を残した。メジャー通算30試合で9勝13敗、防御率4・54。198センチ、95キロ。右投右打。今季年俸75万ドル(約8300万円=推定)。