【巨人】ドラ8湯浅、抜群の加速力で守備広範囲カバー

スポーツ報知
ノックで軽快な動きを見せる湯浅

◆ドラフト8位・湯浅大内野手(18)=高崎健康福祉大高崎高=

 湯浅が機敏に動き回る。軽快にかつ丁寧に―。3軍の那覇キャンプ2日目。シートノックでは二塁に入り、見事なグラブさばきを披露した。身長172センチ、70キロの小さな体だが、右へ左へダイナミックに移動。守備範囲の広さを見せつけた。「守備、走塁には自信があります。武器の一つだと思います」と胸を張った。

 円谷3軍内野総合コーチは、湯浅について「体は小さいけどいいエンジンがついている。排気量が大きい」と話す。高性能エンジンは車の大小にかかわらず、アクセルを軽く踏むだけで一気に加速する。湯浅も同じ。軽くスタートを切っただけに見えるが、一気にスピードに乗る。それが守備範囲の広さや打撃につながっている。練習中もコーチからのアドバイスや意見に、目を輝かせて話を聞き、すぐに実践するという。野球に取り組む姿勢は貪欲だ。

 野球ができない苦しみを知った。高崎健康福祉大高崎高では主将。3年春のセンバツ前に右手首を骨折する試練に直面した。「ショックでした。一日でも早く戻りたかった。だから自分が今できることをしようと思いました」。野球はできないが、主将としてみんなを手伝うことができる。練習前後のグラウンド整備や、マネジャーのドリンク作りを手伝った。

 「試合に出られない選手がいるから自分たちが試合に出ることができる。そういう気持ちを正直忘れてたんです。改めてメンバー全員が野球をしているという気持ちが強くなりました」

 チームは一つになりセンバツは8強。夏にはけがからも完全復帰。大学進学も考えていたが、巨人から声がかかりプロ入りを決意した。目標はまず2軍昇格。「一日一日積み重ねて自分のものにつなげたい。一生懸命取り組みます」。ひたむきに上を見てはい上がる。(玉寄 穂波)

 ◆湯浅 大(ゆあさ・だい)2000年1月24日、群馬・富岡市生まれ。18歳。小2で野球を始め、富岡ボーイズを経て、高崎健康福祉大高崎では主に「1番・遊撃」。2年秋から主将を務め、昨春センバツ8強。華麗な守備と50メートル6秒0の俊足が武器。172センチ、70キロ。右投右打。

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