【巨人】野上の精密アウトローに斎藤コーチ絶賛

スポーツ報知
菅野(右奥)と田口(左奥)らが見つめる中、投球練習をする野上(カメラ・中島 傑)

 西武から巨人にFA移籍した野上亮磨投手(30)が3日、「精密機械」の片りんを見せた。宮崎キャンプ初日から3日連続となるブルペンでの投球練習を行い、初めて組んだ正捕手・小林相手に80球。全て右打者の外角低めの直球を狙った。高めに抜ける球はほとんどなく、斎藤投手総合コーチも安定感を絶賛。昨季14勝のマイコラスが退団したが、抜群の制球力を持つ菅野、田口との“新3本柱”に期待を抱かせた。

 試合と同じ気持ちで集中力を高めた。野上は80球目をこの日の最後の1球と決め、右打者の外角低めを狙い澄ました。「ラストが一番大事なので。3―2(フルカウント)だと思ってやりました」。糸を引くような直球が、小林の構えたところに吸い込まれた。「ナイスボール!」。女房役から絶賛の声が飛ぶ。抜群の制球力を発揮し、充実のブルペン投球を締めくくった。

 投球開始前、初めてバッテリーを組む小林に、右打者の外角に構えてもらうよう伝えた。「真っすぐをしっかり投げられるようになってから変化球」と初球から最後まで全球、同じコースを狙って直球を投げ続けた。低めに集め、抜ける球がない安定ぶりに、斎藤投手総合コーチは「高めにいかない。小林も言っていたけど、アウトローの制球が良い。あそこが投手の生命線ですから」と絶賛した。

 11勝10敗、防御率3・63をマークした昨年は、144イニングでわずか24四球だった。9イニングあたりに換算すると平均1・50。菅野の1・49に匹敵する制球力の良さを見せた。「四球は一番リズムが崩れるので、そこは意識していきたい。無駄な練習、自己満足にならないようにしないといけない」と練習から一球一球大切に投球する。

 今年から本拠地は長打が出やすい東京D。より低めへの意識が求められる。球界最高レベルの制球力を持つエース菅野に加え、9イニング換算で平均2・58四球の田口も今キャンプで安定感を磨く。「ローテに入って2ケタ勝てるように」と意気込む野上が、菅野、田口と「精密機械トリオ」として3本柱になれば、先発陣はさらに強力になる。

 西武時代からの連日ブルペンに入って感覚をつかむ調整法で、初日から3日連続ブルペン入り。「明日? 入ります。もっともっと精度を上げていきたいです」と貪欲さを見せていた。(片岡 優帆)

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