【巨人】阿部が“捕手復帰”「懐かしいな…」吉川光の球受け特別講義

スポーツ報知
キャッチャーミットを構える阿部(右)

 巨人・阿部慎之助内野手(38)が4日、電撃的に“捕手復帰”を果たした。クセを矯正するために木の花ドームのブルペンで居残り投球練習をしていた吉川光の球を受け、的確な助言を次々と与えた。

 体がうずいた。阿部の足は、かつての“庭”へと勝手に進んでいた。木の花ドームで特守のノックを終えた直後。真横を見れば、吉川光が投球練習を行っていた。ファーストミットを、高橋ブルペン捕手から借りたキャッチャーミットに持ち替え、構えた。「懐かしいな…」。素直な言葉と共に、特別講義が始まった。

 「スライダーを放る時にクセがあったみたいだから、ちょっとね」。昨年末に少年野球教室で捕手役を務めたが、プロの球を受けるのは捕手での出場を目指した16年シーズン中以来。公式戦では15年6月6日のソフトバンク戦を最後に、マスクはかぶっていない。「曲げようと考え過ぎるな」「真っスラのつもりで投げてみろ」「(テイクバックの時に)無理に(左腕を)止めようとしなくていいぞ」。1球ごとに助言を与えた。いい変化をした時には「ナイスボール!」と鼓舞した。現役時代にコンビを組んだ豊田投手コーチも「(ミットが)いい音鳴ってるわ~!」と周囲も喜ぶ約15分間のショータイムだった。

 全てはチームの勝利のための行動だった。16年11月にトレードで移籍した吉川光も、昨季は1勝3敗、防御率5・87と低迷した。12年には14勝を挙げたパ・リーグMVPに「復活してほしい」という親心だ。左腕も「真っすぐと同じように腕を振れと言われました。期待に応えられるように頑張りたい」と感謝した。

 昨年から一塁に専念しているとはいえ、チームの有事にはマスクをかぶる覚悟はできている。“本業”の打撃は第1クール4日間は室内でじっくり打ち込んだ。「濃密な時間だったよ」。この日一番の笑顔が、順調な日々を重ねている証拠だった。(西村 茂展)

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