【林家三平のドームすいません】移籍ってタイヘン

スポーツ報知
岡島さん(左)と松井秀喜ベースボールミュージアムを訪問しました

 巨人は春季キャンプまっただ中。吉川尚選手や岡本選手らが元気いっぱい練習している姿をテレビで見ると、今シーズンへの希望、楽しみが広がってきます。

 きょうはキャンプから少し離れた話題を。先日、石川県で行われたアパホテルさんのイベントで、巨人やRソックスなどでプレーした岡島秀樹さんとご一緒する機会がありました。そこで、岡島さんから興味深いお話を聞いたので、ここで紹介したいと思います。

 それは「FAなどでパ・リーグからセ・リーグに移籍した投手は、力を発揮するのが難しい」ということです。パの球場はどこも広いけど、それに比べたらセは東京ドームは狭い。「広い球場→狭い球場」の移籍だと、「ホームランを打たれちゃいけない」という心理が必要以上に働いて、思い切った球が投げられなかったり、力んだり、コントロールが乱れたりするというのです。

 岡島さんは、2006年に巨人から日本ハムへ移籍し、本拠地が札幌ドームになった。この時は「狭い球場→広い球場」のパターンです。想像以上に思い切った投球ができたそうです。しかも外野は新庄選手や稲葉選手。相手走者が三塁へ進むところを二塁で食い止めてくれたりして、配球も大胆にできた。実際、05年に4・75だった岡島さんの防御率は、06年は2・14にまで向上したのです。岡島さんはその後、Rソックス、ソフトバンク、DeNAなどでプレー。狭い本拠地と広い本拠地を渡り歩いたピッチャーならではのお話でした。

 そこで、思い出したのが森福選手です。昨季、広いヤフオクドームから狭い東京ドームへ移って、精神的な苦労が相当あったのではないでしょうか。結果を残せなかった悔しさ、苦い思い出を一度リセットして、今季に臨んでほしいです。新たにFA加入した野上投手も、同じ「パ→セ」のパターンです。ぜひ、そのあたりのメンタルを整えて、彼が力を発揮できるよう周囲もサポートしてあげてほしいです。

 さて、反対に今季「セ→パ」へ移籍した投手といえば―。そうです、巨人から西武へ移籍した高木勇人投手ですよ。「岡島さん理論」をあてはめれば、今季ブレイク必至か。もし剛腕投手に生まれ変わっちゃったら、お立ち台で「僕は僕です」なんてもう言ってられませんね。

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