【巨人】「ゲッツー狙えたよ、ゲッツー!」坂本の“鬼声”でピリッ 投内連係で主将の自覚

スポーツ報知
投内連係の練習で軽快に動き、岡本(手前左)と走者を挟殺する坂本勇

 巨人・坂本勇人内野手(29)が7日、宮崎キャンプ第2クール2日目の投内連係で見事なキャプテンシーを発揮した。遊撃から大きな声を張り上げ、チーム全体を引き締めた。

 サンマリンスタジアムに響き渡る大きな声が、遊撃の位置からは常に聞こえていた。声の主は坂本勇。今季に向けて厳しい姿勢でチームを“鬼主将”として引っ張ることを宣言しているが、この日の投内連係では絶え間なく声を出していた。

 ドラフト2位捕手の岸田=大阪ガス=が静かだと感じれば「岸田おる? 岸田!」と名指しでゲキ。岡本が三塁からかけ声を出すと「やっと(岡本)和真の声を聞いたな」といじり、球場が一瞬の静寂に包まれると「キャッチャーおんの!」とさまざまな言葉を投げかける。その度に若手はかけ声を返した。勇人が「寒いから活気があるようにやりたいからね。若い選手も多いし」と話せば、二塁のレギュラー候補の2年目・吉川尚は「勇人さんが声を出してくれるので、僕らはもっと声を出さないといけない」。自然と練習から締まった雰囲気が生まれていた。

 さらに1死一、三塁を想定した場面では、打球を処理した投手に向けて、捕手の田中貴は本塁送球を要求。結果的には本塁で“タッチアウト”となったが、試合ではなおも2死一、二塁とピンチが続く場面だ。だからこそ「ゲッツー狙えたよ。ゲッツー!」。ピリッとした雰囲気が流れている状態だからこそ、より実戦を想定した言動にもつながった。

 ただ、やみくもに声を出しているわけではない。投内連係を始める前から、アクションを起こしていた。走者を務める打撃投手に向けて「練習なので真剣に走ってくださいね」と頭を下げる。その言葉に応えるように打撃投手陣は必死に挟殺プレーでもタッチをかいくぐろうと走り回った。これには坂本勇も「ナイスランナー!」と感謝していた。

 昨年までの主将3年間で優勝はなく、昨季は4位に沈んでCS出場すらかなわなかった。チーム全体を巻き込みながら、大きな波を生み出す。これこそが“坂本流”のキャプテンシーなのかもしれない。(巨人野手担当・後藤亮太)

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