【巨人】マギー、岡本に続く三塁「第3の男」にドラ5田中俊

スポーツ報知
7回、山本の右犠飛で三塁から生還し、ナインに迎えられる田中俊

◆巨人1軍紅白戦 白組6-5紅組=特別ルール=(9日・サンマリン宮崎)

 巨人・高橋由伸監督(42)が9日、ドラフト5位の田中俊太内野手(24)=日立製作所=を三塁に置く新プランを披露した。紅組の「1番・二塁」で先発し、5回裏の守備から三塁へ移動。4打数紅白戦1安打も内容の濃い打席が続き、評価を上げた。新たなポジションを試し、レギュラー取りへの可能性を広げた。巨人担当キャップ・水井記者が、指揮官の狙いを探った。

 いきなりスタンドを沸かせた。プロ初打席の初回先頭、田中俊の強烈な打球が左翼線を襲った。柔らかいバットコントロールで逆方向にはじき返し、惜しいファウルに。二飛、遊ゴロの後の3打席目では強い打球を二塁手正面に放ち、失策を誘った。7回にようやく左前安打をマーク。全打席を分析した由伸監督は「(ヒットの)その前も当たりはいいものがあった」と改めてほれ直したようだ。

 そんな高いポテンシャルに、指揮官が動いた。5回裏、三塁で先発した若林を二塁に、二塁の田中俊をサードに入れ替えた。「可能性を広げるにはいくつか守れるのは必要かなと思う。打ったらこちらが考える。一つのポジションではなかなか難しいからね」と説明。今キャンプでは二塁を守り、吉川尚と張り合ってきたが、新たな展開へと発展させた。

 由伸監督の中で、ポジションが確定しているのは遊撃の坂本勇のみ。他は白紙だ。練習試合、オープン戦を通じ「打ってくれさえすれば考える」と言い、パズルのように空いたポジションへ順次はめていく考えにある。マギーが守る予定の三塁であろうと、助っ人を一塁に回せばいいだけのことだ。この日、ライバルの吉川尚が3安打と存在感を発揮。早い段階でレギュラー確定を勝ち取る勢いだ。となると、田中俊をどこで使おうか。タイプ的に一塁よりも三塁―という新プランが浮上した。

 もちろん、三塁のライバルも多い。紅組の「4番・一塁」で先発した岡本は3回2死一塁で右前安打を放った。その後、三塁へ移動した。当初、「一塁&三塁手争い」は当確のマギーに、阿部と岡本が続く形だったが、第4の男が現れ、楽しみは広がった。田中俊を加え“打ったもん勝ち”になる。

 俊太は「守備からどんどん声かけもできましたし、ヒットもしっかり振れた中での1本だった」と胸を張り、サードの守備には「ノックでも受けていますし、違和感はありませんでした」と意欲を示した。打てるチーム作りへ“由伸パズル”の空白を一つずつ埋めていく。(水井 基博)

 ◆田中 俊太(たなか・しゅんた)1993年8月18日、神奈川県厚木市生まれ。24歳。東海大相模では11年センバツで優勝。東海大では14年の全日本大学野球選手権でチームを優勝に導いた。日立製作所では16年の都市対抗で準優勝し、新人賞にあたる「若獅子賞」を受賞。広島にいる広輔内野手の弟。178センチ、80キロ。右投左打。年俸800万円。

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