【巨人】阿部「テーマ持て」1軍全投手集めて喝、喝、喝!「テーマを持って投げろ」

スポーツ報知
木の花ドームで(左から)戸根、畠ら投手陣をチェックする阿部(右はマギー=カメラ・中島 傑)

 巨人・阿部慎之助内野手(38)が11日、宮崎キャンプ最終クール初日に投手陣を対象にした“緊急ミーティング”を開いた。若手主体のメンバーが登板した9日の紅白戦のチャート表を分析したが、投球に意図を感じなかったことから、行動に移した。輪の中心では「(試合では)テーマを持って投げろ」と説くなど、1軍メンバーの全17投手へメッセージを送った。

 チームが強くなるために、阿部は動いた。午前9時15分。投手陣を乗せたバスが到着すると、一塁側のロッカーに外国人投手を含めた宮崎キャンプ1軍の全17投手を集め、“緊急ミーティング”を開催。全員立ったまま輪の中心に立つと、約5分間メッセージを送った。内容について聞かれると「(試合では)テーマを持って投げろということ」と話すにとどめたが、宮崎キャンプ最終クール初日が始まる前にどうしても伝えたかった思いだった。

 きっかけはチーム初実戦となった9日の紅白戦。自身の練習などもあり試合を直接見ることはできなかったが、試合後にスコアラーに登板した全9投手のチャート表を用意してもらい、長年チームの扇の要に鎮座した経験を基に、一人一人の投球内容を分析した。しかし、何を投げたいのか、どういう投球を見せたいのかなど試合での「テーマ」が何も見えてこなかったという。だからこそすぐに行動へ移し、若手主体のメンバーに訴えかけたのだ。

 紅白戦に登板したメンバーはそれぞれ、しっかりと言葉を受け止めていた。先発で2回2失点だった2年目右腕・谷岡は「自分のテーマを(捕手に)伝えてはいたがまだ甘いところもあった。やりたいことを試合でも出せるようにしないと」と話せば、1回1失点の4年目右腕・篠原も「おっしゃる通りでした。自分の意見をもっと捕手に伝えていかないと」と気を引き締めた。

 メッセージを受け取ったのは、紅白戦に登板した投手だけではない。昨季13勝を挙げた田口は「テーマを持ってやることはあるべき姿。自分だけではなくみんなに響いていると思う。それぞれがやっていかないといいチームにはならないし、いい投手に成長できない」とかみ締めた。

 昨年はオープン戦期間中に若手野手をグラウンドに集め、「その時々のシチュエーションによって自分が何をすべきか、それぞれ違うはず。1打席ごとにテーマを持って臨まないと」と説くなど、背番号10はその時々に思ったことを伝えてきた。覇権奪回には若手の成長が必要不可欠だからこそ、心を鬼にして厳しい言葉を投げかけた。(後藤 亮太)

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