【巨人】菅野、今年初実戦で152キロ 新球の高速シンカーで右の中村にファウル打たせる

スポーツ報知
初の実戦登板となった菅野は、2回を投げ順調な仕上がりを見せた(手前は青木=カメラ・関口 俊明)

◆練習試合 巨人6―7ヤクルト(21日・那覇)

 巨人の菅野智之投手(28)が21日、ヤクルトとの練習試合(那覇)に先発した。今年初実戦は2回2安打1失点(自責0)。最速152キロを計測し、順調な仕上がりを披露した。新球の高速シンカーは、ヤクルトに7年ぶりに復帰した青木宣親外野手(36)に左前へ運ばれたが、手応えは上々だった。

 状態の良さが球威に表れた。初回2死二、三塁。菅野は畠山にフルカウントから外角低めに152キロを計測した。四球となるも、続く広岡を150キロの外角直球で空振り三振。味方の失策もあり2回2安打1失点(自責0)だったが、沖縄の太陽の下、今年初実戦で万全の仕上がりを見せた。

 「ストレートも両サイドにしっかり投げられていましたし、スピードもそこそこ出ていたのでまずまずかなと。体的には良い方向に向かっていると思います」

 この日は小林ではなく、新人の岸田と初バッテリーを組んだ。配球を任せ、状況によってサインに首を振った。全54球中39球が直球やワンシームの速球系。新球の高速シンカーは3球で、2回には右の中村にファウルを打たせた。「思い描いていたところに投げられた。根気強く投げていく」と確かな手応えを得た。

 村田ヘッド兼バッテリーコーチには「岸田を育ててやってくれ」と頼まれていた。「僕が阿部さんに育ててもらったように、しっかりいい伝統を継承していければ、自分にとってもチームにとってもいい」と決意して臨んだ。その通り、試合後は熱心に助言。試合で右打者の内角直球を多く要求した岸田は、最高の「生きた教材」に目を輝かせた。

 岸田「内角を見せることを意識したのですが、菅野さんから『直球だけでなくコースをずらすワンシームも使ってもいいのでは』と言っていただいた。教わったことを生かしたいです」

 自分のことだけでなく、チーム全体を見る菅野。2回1死二塁で岸田がワンバウンドのシンカーを前にはじき、自身の暴投が記録された場面では、岸田に「ナイスストップ」と拍手を送った。直後の球で雄平を内野フライに抑えて後輩を救った。併殺コースのゴロを後逸した二塁・吉川尚にもマウンドから声をかけた。マウンドでの振る舞いに、リーダーの決意が見えた。

 初回、初対戦でシンカーを左前に運ばれた青木には「さすがメジャーリーガーだと思いました」と話し、「いい打者がヤクルトに入って、対戦する楽しみというか、自分の中で燃えるものがある。今季が楽しみ」と先を見据えた。開幕投手を務める3月30日の阪神戦(東京D)まで約1か月。昨年、沢村賞のエースに死角はない。(片岡 優帆)

 ◆G菅野のプロ入り後の初実戦

 ▽13年 2月16日の紅白戦(那覇)に先発し、2回1安打無失点。最速145キロを計測も、本人の自己採点は「50点」。

 ▽14年 2月22日のDeNA戦(那覇)に2番手で登板し、2回3安打2失点。得意のスライダー、カットボールを封印。全41球中26球が直球。最速148キロ。

 ▽15年 2月15日の紅白戦(宮崎)に先発し、2回4安打1失点。右肘を痛めた14年10月2日、対ヤクルト戦(神宮)以来の実戦だった。

 ▽16年 2月14日の紅白戦(宮崎)に先発し、2回無安打無失点。最速145キロ。3年ぶりに解禁したワンシームも披露した。

 ▽17年 2月22日の楽天との練習試合(那覇)に先発し、3回1安打無失点。3月のWBCに向けてワンシーム、新球チェンジアップ、カーブを織り交ぜ、わずか33球の省エネ投球。

巨人

×