【巨人】中川、筒香を3球三振斬り!5回無四球0封 

スポーツ報知
1回2死、空振り三振に倒れた筒香(投手は中川、捕手は小林=カメラ・生澤 英里香)

◆オープン戦 巨人1―3DeNA(24日・那覇)

 プロ野球のオープン戦が沖縄県内で開幕した。巨人は3年目左腕の中川が、DeNA戦(那覇)で開幕ローテ入りへ猛アピールした。24歳の誕生日に先発し、5回2安打無失点5奪三振。ほぼベストメンバーをそろえた相手強力打線に真っ向勝負を挑み、筒香から3球三振を奪うなど快投した。チームは3安打1得点で黒星スタートとなったが、攻撃陣では、5年目の和田が逆方向に豪快な1号ソロを放って存在感を示した。

 強く腕を振った。中川は攻撃的に決め球を投げ込んだ。初回2死、3番・筒香への3球目は低めにストーンと沈んだ。新球の124キロチェンジアップにバットは空を切って3球三振。直前に空振りを奪った140キロ直球との緩急は抜群だった。2年前のプロ初登板で本塁打を浴びた日本の4番にフルスイングさせなかった。

 「今までは左打者に直球と曲がり球しかなかった。次につなげていきたいです」

 強打者を抑えて勢いに乗ると、2回以降も制球が安定。3回2死一、二塁では大和を内角低めのスライダーで三振に打ち取り、5回2安打5奪三振と快投した。直球の球威は誰もが認めるところ。課題の変化球を低めに集め、無四球だったことも大きな収穫だった。

 「練習してきた変化球で打ち取れたのは良かったです。スライダーはここに投げたらこう曲がる、というイメージが少しずつですが分かってきました」

 今オフは菅野とハワイで自主トレ。キャッチボールをともにする中で「菅野さんは直球でも変化球でも常にフォームが変わらない」と学んだ。スライダーの投げ方も教わり「僕が活躍することが菅野さんへの恩返しになる」と強い気持ちを秘める。スライダーの向上と同時に、先発枠を奪うためにある決断を下した。

 「ツーシームを投げないようにしようと思っています。チェンジアップの方が緩急が使えるので練習していきたいです」

 入団以来、DeNA・山崎のような縦にシンカー気味に落ちるツーシームを投げてきた。だが精度が上がらず、痛打されることが多かった。そのため封印し、今オフはチェンジアップを特訓してきた。その成果がオープン戦初戦で出た。

最後のつもりで 17日の中日との練習試合(那覇)は3回2失点。その後、阿部からは「カウントを取る球と決めにいく球のメリハリをつけろ」と助言された。さまざまな先輩の言葉を吸収して成長する左腕に、斎藤投手総合コーチは「良かった。自信にしてほしい」と高評価を与えた。

 1軍の先発は菅野、田口が当確。野上、山口俊、中川らが続く。誕生日にメダル級のアピールに成功したが、中川に慢心はない。

 「常にラストチャンスのつもりで一人ひとり、全力で投げていきたいです」(片岡 優帆)

 ◆中川 皓太(なかがわ・こうた)1994年2月24日、大阪・富田林市生まれ。24歳。山陽高(広島)では甲子園出場なし。東海大では主に先発として4年春の首都大学リーグ戦で6勝4完封。同年秋も5勝1敗、防御率0.85で春秋連続の最優秀投手賞。リーグ戦通算16勝1敗。15年ドラフト7位で巨人入団。1軍通算20登板で0勝0敗、防御率5.00。183センチ、86キロ。左投左打。年俸1560万円。

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