【巨人】快足よみがえりつつある陽 今季目標は「30盗塁」

◆練習試合 韓国・SK2―0巨人(27日・セルラー那覇)
巨人は韓国・SKと練習試合(那覇)を行い、「1番・右翼」で先発の陽岱鋼外野手(31)が2安打1盗塁で開幕スタメン争いで存在感を見せた。
塁間が短く見えるほどのスピードで、陽は滑るように走った。スライディングで豪快に土ぼこりを立てると、二塁塁審の両腕は真横に広がった。「しっかり動けているし、(キャンプの)1か月間、いい練習ができたということだと思います」。5回1死。この日2安打目となる中前打で出塁すると、2死後、松原への初球で鮮やかに二盗を決めた。
快足がよみがえりつつある。昨年、一昨年と2年連続で盗塁は1ケタに終わっていたが、日本ハム時代の13年には47盗塁でタイトルを獲得。今季は「30盗塁」に目標を設定し、オフから徹底的に走り込んで下半身を強化してきた。大西外野守備走塁コーチは「身体能力が高いし、(盗塁王の時と比べて)スピードも落ちていない。『走るぞ』という強い気持ちさえあれば、同じような数字は残せるはず」と太鼓判を押す。
昨季は中堅手のレギュラーとしてグラウンドに立ったが、今キャンプでは右翼に入り、長野とポジション争いを繰り広げてきた。この日のSK戦ではともに2安打と譲らなかったが、陽にかつてのスピードが戻れば、ベンチのうれしい悩みは膨らむだろう。高橋監督は「ベテランというか、実績のある選手が、こうして少しずつ形としてくれているのは頼もしい」とうなずき、「これくらいやってもらわなきゃ困るでしょ。もう2月終わるわけだし」と期待の大きさをのぞかせた。
昨年のキャンプでは序盤に下半身のコンディション不良に見舞われ、1軍復帰は6月。出場87試合で330打数87安打、打率2割6分4厘、9本塁打の33打点と不本意な成績に終わっただけに「(状態は)去年と比べたら段違い」。手応えを完璧なものにすべく、3月の仕上げに入る。(尾形 圭亮)