【巨人】ゲレーロ、東京D看板直撃弾4発の新記録目指す

スポーツ報知
フリー打撃でサク越えを連発するゲレーロ(カメラ・佐々木 清勝)

 巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(31)が2日、1シーズン看板直撃弾4発の新記録を目標に掲げた。

 チームは東京Dで全体練習を行い、助っ人は移籍後初めて新たな本拠でフリー打撃。44スイングで左翼席上部のバルコニー席の壁を直撃する推定145メートル弾2発を含む7発をマークした。01年の松井秀喜、高橋由伸、08年のA・ラミレスがマークした3発がこれまで1シーズンでは最多だが「そうなるといい」と更新に意欲を燃やした。

 新しい本拠地は、昨季キングにとっては狭すぎた。32スイング目。甲高い音を残してゲレーロが描いた高い放物線は、勢いを失わないまま左翼スタンド上部バルコニー席の壁を直撃した。推定145メートル特大弾。さらにその7スイング後に同じ場所へもう一発。見守った高橋監督は「飛距離はキャンプの時から良かったからね」と顔色は変えない。この男ならこれくらい当然と言わんばかりだった。

 巨人移籍後初となる東京Dでのフリー打撃。まずは左腕の打撃投手に対し、重さ約1キロのマスコットバットでミートを意識しながら26スイング。軽めに振りつつ右翼席へ1発放り込んだのはあいさつ代わり。右投手の打席に立った際に試合用の茶色のバットに持ち替えると本領発揮だ。アッパースイングで球の中心よりやや下をすくい上げる。強烈なバックスピンがかかってなかなか打球が落ちてこない。18スイングで高いアーチを6本かけた。計44スイングで、左翼バルコニー席への特大弾2発を含む7発。圧巻の“デビュー”だった。

 東京Dでは中堅のスコアボードを挟み、左中間から右中間のスタンド上部には大看板がある。この日の特大弾2発は引っ張りすぎて直撃とはいかなかったが、飛距離は十分。公式戦では打球を直撃させればスポンサーから副賞として100万円相当の賞品、賞金が贈られる。「どの看板に当てたら100万円なんだ?」と興味津々に“逆取材”。どれでもだと聞かされると、おもわず「ワォ!」と目を輝かせた。

 過去には01年の松井秀喜と高橋由伸、08年のA・ラミレスがそれぞれ3発の看板弾を放ち、それが1シーズンでの最多記録となっている。そんなレジェンドを超える4発へ「そうなるといいね。それ(副賞)をモチベーションに頑張りたい」と舌なめずりした。

 中日に所属した昨季、35発を放って本塁打王に輝いた。東京Dとも相性が良く、10試合41打数13安打で打率3割1分7厘とセ6球団のホームで最も打率が高かった。本塁打こそ2本だったが、東京Dより広いナゴヤDで17発は心強いデータだ。3日のヤクルト戦で、巨人・ゲレーロとして本拠地に初見参する。「開幕に向けて、やるべきことをやっていきたい」。静かに闘志を燃やしたG砲がいきなり看板にぶち当てても、驚きはない。(西村 茂展)

 ◆東京D看板弾シーズン3発の巨人3人
 ▼01年松井秀喜 4月13日の横浜戦で右翼席上段にある「UCカード」の看板のど真ん中に当たる133メートル弾、8月9日の阪神戦では右中間の「日本たばこ」の看板に当たる146メートル弾、9月9日のヤクルト戦では右翼の「日本電気(NEC)」の看板へ140メートル弾をマーク。NECからはワイドテレビとノートパソコンの計100万円分の賞品をゲット。
 ▼01年高橋由伸 5月18日・横浜戦で長嶋監督の笑顔でおなじみの「セコム」の看板に初めてぶち当てる137メートル弾。8月10日のヤクルト戦では右翼席後方の「UCカード」に、9月18日の阪神戦では右翼スタンド上段のセコムの看板にぶち当てた。セコムからは100万円が贈呈された。
 ▼08年ラミレス 4月29日の広島戦で左中間上部の「明治乳業」の看板に当てると、5月25日の日本ハム戦で左翼上方の「キリンビール」に、10月9日の横浜戦で左翼席上部の看板へ当てた。キリンビールからは賞金100万円と「キリンビール 350ミリリットル」1年分(384本)が贈られた。

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