【巨人】菅野、4回0封で田中貴を「面白い捕手」と絶賛…貪欲さが若手に浸透

スポーツ報知
シンカーを投げる菅野(カメラ・頓所 美代子)

◆オープン戦 巨人6x―5ヤクルト(3日・東京ドーム)

 巨人・菅野がヤクルト戦(東京D)に先発。4回3安打無失点と好投した。選手会長に就任し、若手底上げのためにチーム全体を見るエースが、万全の仕上がりを結果で証明。初めて1軍の試合でバッテリーを組んだ田中貴のリードを絶賛した。30日の開幕戦、阪神戦(東京D)での4度目の開幕投手に向け、死角は見当たらない。チームはサヨナラ勝ちで対外試合6試合目で初勝利を挙げた。

 球種のサインに迷わずうなずいた。菅野は捕手・田中貴のリードを意気に感じた。2回無死、青木への初球。139キロの新球・高速シンカーで詰まらせて二飛に抑えた。2月21日の練習試合・ヤクルト戦(那覇)で対戦した際、左前に運ばれた球種。あえて前回打たれた球から入る柔軟な配球に、大きな刺激を受けた。

 「たぶん前の試合でシンカーを打たれたのを記憶していて、その球から入ってくれた。田中貴也は面白い捕手だと思いましたし、ちょっと感心しました。そういう考えもあるんだなと」

 1軍で初バッテリーの田中貴は、前日2日から過去の菅野の映像を研究し、配球の質問をぶつけてきた。「研究熱心で一生懸命。そういう姿勢はうれしい」と組み立てを任せ、4回1死一、三塁・畠山の初球まで一度もサインに首を振らず投球。1死満塁を無失点に抑え貫禄を見せながら、あくまでリードを絶賛した。

 「0点に抑えるのが一番の目標だったので(ピンチでは)『そこは俺にやらしてくれ』と首を振りましたが、4回途中まで一回も振らなかったのはプロに入って初めてだと思う。そう思わせてくれる捕手です」

 今キャンプ、菅野はチーム全体に目を配った。岡本とはフリー打撃で対戦。球種を予告しない初球、詰まらせるつもりで投じた内角直球を左前打された。登板後、ベンチ裏で「読んでいたの?」と質問。「読んでないです。反応しました」との答えに、「いいなあ、あの感覚を忘れちゃダメだよ。そういうのを投手にどんどん聞いて勉強したほうがいい」と褒めて自信を持たせた。若手底上げへ、積極的に後輩に声をかける中で、貪欲さを植えつけた。

 「若い選手を見ていると、いつか試合に出られるだろう、とか、いつかは1軍に上がれるだろう、と。『だろう』とか『何とかなるだろう』じゃ絶対にダメ。上がってやる、上がってやろうと思わないといけない」

 田中貴の必死な姿勢は、まさに求めてきたもの。高い意識が浸透し、チームは変わろうとしている。

 昨年、沢村賞の菅野は、開幕投手を務める今季「20勝、200イニング」を目標に掲げる。「自主トレからやってきたことが形になって、完結して開幕を迎えられるようにします」というエースに死角はない。(片岡 優帆)

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