【巨人】足で魅せた吉川尚&打でアピール立岡に由伸監督「いいところがたくさん出たね」

スポーツ報知
4回1死一塁、二盗を決めた吉川尚(二塁手・山田哲=カメラ・関口 俊明)

◆オープン戦 巨人8―1ヤクルト(4日・東京ドーム)

 こういう光景を待っていた。中盤以降に若き力が連なって、8得点での快勝劇を呼んだ。試合後の会見。高橋監督は開口一番、「いいところがたくさん出たね」と満足そうな笑みを浮かべた。

 まずは吉川尚だ。4回無死、中前安打で出塁すると1死後、マギーの打席で初球に二盗を決めた。3日の試合でけん制に誘い出されたが、積極性は失わない。5回には右前適時打を放った後、1死一、二塁の二塁走者として、スタンドに半身を乗り出しながら邪飛を捕球した一塁手・畠山の姿勢を見て、迷わずタッチアップ。三塁を陥れた。バットや俊足、スキを逃さない姿勢と持ち味を存分に発揮。「常にチャンスを広げないといけない。タッチアップもいい走塁ができたと思います」と胸を張った。

 この日、1番に入った立岡も強烈な印象を残した。同点に追いついた直後の5回1死一、二塁。右中間を破る勝ち越しの2点三塁打。先頭の7回にも中越え三塁打と暴れた。昨季は「2番・中堅」で開幕スタメンをつかむも失速し、7月下旬以降はファーム暮らし。キャンプも2軍スタートとなり、巡ってきたチャンスに「センターの1番手に名前が挙がるように、継続していきたい」と期する思いは強い。

 由伸監督は開幕スタメンについて、確定している坂本勇、ゲレーロ、マギー以外は「まだ見えてこないよ」と思案にふける。言い換えればまだ、誰にもチャンスはあるということだ。途中出場の陽は7回にオープン戦1号2ラン、田中俊も中前安打と、吉川尚、立岡に遅れまいと気を吐く。このままアピール合戦が続けば、指揮官はいい意味で頭を悩ませることになるだろう。「そうなってくれたらうれしいね」。指揮官も歓迎する競争の激化が、チームの底上げにつながる。(西村 茂展)

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