【巨人】由伸監督が初リクエスト、1度目失敗も8回満塁で併殺打覆る 申告敬遠にも挑戦

スポーツ報知
8回無死満塁、三ゴロを放ち一塁へ駆け込む辻。判定はアウトだったがリクエストで覆った(手前は三木、右は井端コーチ=カメラ・池内 雅彦)

◆オープン戦 ロッテ6x―5巨人(6日・ZOZOマリン)

 とっさに、三塁の大西コーチャーに目を向け、確認した。ベンチを飛び出した由伸監督は、主審に両手で四角形のポーズを作った。村田ヘッドが「『あっ、これリクエストした方がええんちゃう?』と思って監督の方を振り向いたら、もう出とったわ。早いわ~」と驚くほどの瞬発力。同点とした8回無死満塁、辻の“三ゴロ併殺打”をめぐり、一塁のアウト判定に「リクエスト」した舞台裏だ。

 三、捕、一へのゲッツーが覆った。2死二、三塁が一転、1死満塁へと変わった。その後、好機を生かせなかったが、「判定が変わってくれればね、チームとしては大きな場面ではあったと思うので」と指揮官。一塁の井端コーチャーが両手を広げ、三塁の大西コーチャーが「こっちは自信を持ってやらないといけない」とベンチの指揮官に合図。由伸監督は「最終的には僕の判断になるかもしれないけれども、周りの声というのも参考にしている」という連係プレーだった。

 5回にも1死一塁の守備で、二塁セーフとなった微妙なジャッジをめぐり、巨人では初の「リクエスト」を要求した。結果、覆らずに計2度(9回まで)の権利のうちの1個目を失敗。それでも首脳陣の間では「チャンスがあったらどんどん使おう」と意思統一。9回1死二、三塁で初挑戦した「申告敬遠」も含めて、積極的に練習する覚悟だ。

 微妙な判定を覆すのがベンチの役割なら、選手は目の前のプレーを的確にこなさないといけない。だが、指揮官は「きょうもミスが4つ、5つぐらいあったかな。当然、点にもつながる。何とか少しずつ減らしていかないと」と苦言を呈した。5回に、本塁クロスプレーで小林がストライク送球を落球し、アウトのジェスチャーをした球審の両手はセーフに変わった。2死一、二塁では中前への飛球を中堅手・立岡が落とし、2点を献上するなど、信じられないミスが相次いだ。9回も遊撃手・山本の“連続ミス”でサヨナラ負け。さすがに、ミスを取り返す「リクエスト」はないのだから、そこは自己責任である。(水井 基博)

 ◆リクエストとは 審判の判定に異議がある場合に、監督が映像によるリプレー検証を求めることができる制度。これまで外野フェンスやポール際の打球や本塁でのクロスプレー、併殺崩しの危険なスライディングを禁止するルールの適用などに限定して実施されてきたリプレー検証が、アウト、セーフやフェア、ファウルなどの判定にまで拡大される。ストライク、ボールやハーフスイング、ボークなどの判定は除外。1試合2回までで、判定が覆った場合はカウントされない。

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