【巨人】岡本“今季1号”ライバル阿部不在の試合で見せ場作る

スポーツ報知
8回無死、左越えにオープン戦1号となる本塁打を放った岡本(カメラ・池内 雅彦)

◆オープン戦 ロッテ6x―5巨人(6日・ZOZOマリン)

 巨人の岡本が“今季1号”を放った。ロッテ戦(ZOZO)に「6番・一塁」でスタメン出場すると、8回無死から左越えソロ。直前の陽岱鋼に続く2者連続本塁打をマークすると、直後に打線もつながりこの回一挙4点を奪った。これでオープン戦は4戦連続安打。ベテランの阿部と一塁を争う若き大砲が、2年連続開幕スタメンへアピールを続けている。

 内角低めの直球をすくい上げるように捉えると、打球は左翼席中段へ飛び込んだ。軽快な足取りで岡本はベースを1周すると、味方のハイタッチに迎えられた。

 「1本(本塁打が)出ていなかったので強いスイングをすることを意識した。アピールしないといけないので。その思いだけでした」

 4点を追う8回。陽岱鋼の左越えソロの直後、左腕・永野の139キロを仕留め、“今季1号”。昨季は0本塁打で、1軍でのアーチは17年3月23日のオープン戦・日本ハム戦(東京D)以来。「1打席、1打席が自分のアピールする大事な場所。1回だけでは意味ないので」。慢心することはないが、しっかりと見せ場を作った。

 この1本が停滞ムードを吹き飛ばす。7回までゲレーロのソロを含む2安打1得点だったが、本塁打攻勢の直後も打線がつながりこの回4点を奪取。由伸監督も「本塁打というのはベンチとしては一番ありがたいというか、効果的だと思う。そういうのをどんどん見せてほしい」とうなずいた。

 今年に懸ける思いは人一倍強い。昨季は「7番・左翼」で開幕スタメンを飾ったが、15試合で打率1割9分4厘、0本塁打に終わった。今オフ「やりたい時に出来るように」と、トレーニングも兼ねて奈良の実家へ帰省した際、トレーニング機材を購入。実家の自分の部屋を“ミニジム”に改造し、人目に触れることなく、昼夜問わず汗を流した。

 春季キャンプでは早出特打から1日1500スイング超の猛練習の日々…。オープン戦に入り練習量は減ったが、この日も全体練習の2時間以上前から球場に入りバットを振り込むと、試合後も日課となった素振りを行った。待望のアーチにも「ほっとすることはありません」。4戦連続安打も満足はない。

 遊撃は坂本勇で決定。現状、三塁・マギーも固定されつつあるが、二塁を狙う吉川尚、田中俊にアクシデントが起これば「二塁・マギー」の可能性もある。岡本は三塁も外野もこなせるが、現状では阿部と一塁を争っている。そのベテランは3日のヤクルト戦(東京D)で特大弾を放つなど、衰えは見せない。この日のように阿部がG球場で調整している時に結果を出し続けることが、2年連続開幕スタメンへの絶対条件となる。「1軍で開幕を迎えるために、オープン戦で結果を出してアピールしないといけない」。チームの変革のためには若手の台頭が必要不可欠。若き大砲が、期待に応える活躍を続けていく。(後藤 亮太)

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