【巨人】上原浩治が帰ってくる!9日にも入団会見、背番11

スポーツ報知
背番号「11」で復帰する上原(合成写真)

 巨人が、カブスからFAとなっている上原浩治投手(42)と入団合意に達したことが8日、分かった。同投手が5日に極秘帰国して以降、水面下で交渉を重ね、この日までに復帰が決定した。背番号は自身初の「11」。9日にも正式契約を結び、入団会見が行われる。2008年以来10年ぶりにYGマークに袖を通し、目指すは同い年の由伸監督を胴上げすること。13年(Rソックス)のワールドシリーズ優勝投手が頂点に導く。

 巨人から世界へと羽ばたいた上原が、地位と名誉、高等技術も土産に帰ってくる。5日の帰国後、鹿取GMが水面下で交渉を重ね、この日までに入団合意へとこぎつけたようだ。さっそく9日にも入団会見が行われる。同い年の由伸監督はオリックス戦(ほっと神戸)で指揮を執るため同席できないが、古巣への思い、日本一奪回へ向けた熱い意気込みが語られるはずだ。

 このオフ、上原は「メジャー以外なら現役引退」を公言していた。が、2月下旬に翻意し、日本球界復帰も視野に入れ始めた。この状況をいち早くキャッチした巨人側は、常に動向をチェック。鹿取GMは2月28日、右腕がメジャーでのプレー続行を断念した場合は獲得調査に乗り出す方針を明かした。

 再出発を切る右腕に、新しい背番号を用意した。10年ぶりに巨人のユニホームに袖を通すその背中には「11」が刻まれることが決まった。これまで98年ドラフト1位でのプロ入り後、巨人で10年、メジャーで4球団計9年プレーしたが、いずれのチームでも代名詞と言える19番を背負った。しかし、巨人ではエース・菅野がつけている。プロ入り後初めて「19」以外を背負うことになるが、かつては斎藤雅樹(現投手総合コーチ)も背負った大投手にふさわしい“相棒”と、新たな戦いに挑む。

 起用法は、リリーバーが有力だ。由伸監督は「勝ちパターンの投手は何人いてもいい」と歓迎しており、カミネロ、マシソン、沢村との“方程式入り”に期待がかかる。もちろん、オープン戦で結果を残すことが大前提だが、調整さえ順調ならば頼もしい存在になるはず。池田、山口鉄が上半身のコンディション不良で開幕不在だが、そんな悩みも解消できる。

 球威は全盛期からは劣るかもしれない。ただ、技術は進化を遂げている。メジャーでは対右打者の被打率が2割9厘で、左打者だと1割8分9厘。精密な制球力は健在で、決め球のスプリットは真下だけでなくシュート気味にも落とせる。落差や方向を操れるからこそ、左打者も苦にしなくなった。さらにRソックス時代の13年にクローザーとしてワールドシリーズ優勝投手を経験。若返りを図る巨人の中で、世界の頂点を知る男の加入は、精神面でもお手本になる。

 すでに、ブルペンで投げ込んでいるという。2月中から都内で単独トレを行っており、状態面に不安はないようだ。早くて10日にも「巨人・上原」が再始動する予定で、オープン戦後半での登板を目指していく。4年ぶりのV奪回が至上命題となっている由伸巨人に、最高の戦力が加わった。

 ◆上原 浩治(うえはら・こうじ)1975年4月3日、大阪・寝屋川市生まれ。42歳。東海大仰星高から1浪して大体大。98年ドラフト1位で巨人に入団し、99年20勝で新人王。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、沢村賞を各2度受賞。五輪は04年アテネ、08年北京に出場。06年WBCでは世界一。09年にFAでオリオールズ入り。13年Rソックスで優勝決定シリーズで日本人選手初のMVPに輝き世界一に貢献。188センチ、88キロ。右投右打。既婚。

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