【巨人】上原、復帰で決意「がむしゃらにやる」 悩みは同級生・高橋監督との関係?「敬語の方がいいですか?」

巨人は9日、カブスからFAとなっていた上原浩治投手(42)との契約が合意したことを発表し、都内で入団会見を行った。契約金1億円、年俸2億円に出来高もついて1年契約でサイン。背番号は自身初となる「11」に決まり、会見でお披露目された。10年ぶり復帰の右腕は「一生懸命やる、がむしゃらにやる。みんなで勝って笑顔になりたい」と決意し、さっそく10日にG球場で練習を再開。11日に2軍のフリー打撃に登板予定で、20日以降の1軍合流を目指してピッチを上げる。
無数のフラッシュを浴びながら、スーツ姿で登壇した。懐かしの球団旗を背に42歳になった上原が帰ってきた。一つ一つ丁寧に質問に応じ、その言葉の端々に熱意を込めた。10年ぶりの日本球界復帰。熱い気持ちが自然とこみ上げてきた。
「やることは一つだけです。一生懸命にやる、がむしゃらにやる。それだけです。何ができるか正直分かりませんけども、チームのひとつの勝ち、優勝に向けての勝ち星に貢献できるように頑張りたい」
今オフは「メジャー以外なら現役引退」を公言していたが、交渉は難航。そんな右腕の獲得に、真っ先に手を挙げたのが古巣・巨人だった。
「巨人は10年お世話になっていたところでFAで出ていったにもかかわらず、こうやって誘っていただいた。すごい感謝してます。もう引退という言葉は言いません。それだけです」
言葉だけではない。チームは3月30日の阪神との開幕戦(東京D)に向かっている。同級生の由伸監督を胴上げしたい。それだけを胸に、右腕はさっそく練習を再開する。2月から都内でブルペン入りするなど自主トレを積んできた上原は10日にG球場で“始動”。そして11日には2軍に合流してフリー打撃に登板する予定だ。20日にも1軍合流を目指していくという。
「日本のボールを使っての練習をここ2、3日やっと始めた。まずボールに慣れていない。実戦も全くしてないのでまず打撃投手だったりができれば。オープン戦どうこうという計画はまだ立ててない。これから一日一日で話し合いになってくると思う」
Rソックス時代の13年にクローザーとして世界一を経験した。精密な制球力を誇るスプリットは、日本でも当然、脅威になるはず。全盛期ほどの球威はなくても、ベテランは「技」を持っている。
「自分の投球スタイルがスプリットでしかないので、それをどう生かすかしかない。1試合でも多く投げることが目標。1年間、まず投げきるということを目標にしてやっていきたい」
誕生日も一緒の由伸監督とは巨人時代からの親友だ。巨人との契約が決まった頃、「よろしくお願いします」と電話で伝えた。指揮官からは「期待している」とかけられた。
「後は野球以外の話をしたり。失礼になるかもしれませんけど、友だちとしての会話をしました。不思議な感じしかないですよね。呼び方? まずは監督と呼びますよ。敬語の方がいいですか? 敬語になりますかね。どうしましょう。迷ってます」
昨季は球団記録の13連敗も経験。由伸監督の苦労は離れていても伝わっていた。
「大変なポジションですから。すごい苦労してるなと思いました。巨人というチームは勝たないといけない。強いチームじゃないといけないと思ってる。(自分は)それに貢献できれば」
会見後は背番号「11」のユニホームを身にまとった。自然と笑みがこぼれた。43歳でのシーズン。新たな出発地点に立った意気込みを短い言葉で紡いだ。「やるだけです」(玉寄 穂波)
◆上原 浩治(うえはら・こうじ)1975年4月3日、大阪・寝屋川市生まれ。42歳。東海大仰星高から1浪して大体大。98年ドラフト1位で巨人に入団し、99年20勝で新人王。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、沢村賞を各2度受賞。五輪は04年アテネ、08年北京に出場。06年WBCでは世界一。09年にFAでオリオールズ入り。13年Rソックスで優勝決定シリーズで日本人選手初のMVPに輝き世界一に貢献。188センチ、88キロ。右投右打。既婚。