【巨人】田口、“侍チェンジアップ”で5回1失点 楽天・松井のヒントで手応え

スポーツ報知
チェンジアップを投げる田口。5回1失点の好投で順調な調整ぶりを見せた(カメラ・矢口 亨)

◆オープン戦 巨人7-2オリックス(10日・ほっともっと神戸)

 巨人・田口が“侍チェンジアップ”を初披露した。オリックスとのオープン戦(ほっと神戸)に初先発し、5回5安打1失点と好投。4回には、侍ジャパンの期間中に楽天・松井から伝授されたチェンジアップで空振り三振を奪った。今季、完全習得を目指す“魔球”に確かな手応えを得た左腕。シーズン開幕に向け、左のエースに死角はない。

 低めに沈むボールに、相手のバットは空を切った。先発ローテの軸として期待される田口が、進化の一端を示した。4回1死二塁。若月を1ボール2ストライクと追い込んでから選択したのは、今季完全習得を目指すチェンジアップだった。狙い通りの1球で空振り三振に仕留め、「チェンジアップの球としてはよかったのかな。結果、三振になったので」とうなずいた。

 1週間前の貴重な時間が、きっかけとなった。3月3、4日には侍ジャパンの一員として、オーストラリアとの強化試合に臨んだ。チームを離れ、日本代表に合流している間、同学年の楽天・松井にチェンジアップの握りを教えてもらった。自身も今季に向けて、春季キャンプから練習を重ねてきた球種。杜(もり)の都で絶対守護神に君臨する左腕に助言をもらい、田口は「自分の中でチェンジアップという球種が形になりそう」と確かな手応えを口にしていた。

 ブルペンで練習を重ね、この日のオープン戦初先発では“侍チェンジアップ”を初披露。82球中5球を投じ、ボール球になる場面もあったが「カウント球でも使えるようになればいいですし、まだまだ求めていかないと」と前を向いた。

 初回は3者凡退に抑え、2回以降は毎回得点圏に走者を許す展開だったが、失点は3回に浴びた安達のソロのみ。5回5安打1失点、4奪三振という内容に「悪い中でもいいところも出た。結果としては良かったのかな」と振り返った。

 昨季2年連続2ケタ勝利となる13勝をマークし、今季も菅野とともに大きな期待がかかる。直球とスライダーを主体にした投球に加え、縦に落ちる球種が増えれば、相手打線は的を絞りづらくなる。次回登板に向けて「インコースのクロスの球だったりは投げきれていない。チェンジアップも継続して練習して、いろいろな変化球とのコンビネーションを使っていけたら」。左のエースとしての自覚を胸に、まだまだ上を目指す。(後藤 亮太)

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