【巨人】長野、初の1番で初のマルチ安打「お疲れさまでしたぁ」

スポーツ報知
7回無死一塁、左越え二塁打を放つ長野

◆オープン戦 巨人7-2オリックス(10日・ほっともっと神戸)

 長野のバットが一閃(いっせん)した。4回先頭。田嶋の147キロ外角直球を捉えた打球は、低く強烈なライナーで右前へ飛んだ。代名詞ともいえる反対方向への一撃で、チーム初安打。さらに3点リードの7回無死一塁では、左翼フェンス直撃の二塁打を放った。今季オープン戦で初めて1番打者を務め、初のマルチ安打。試合後は「お疲れさまでしたぁ」と爽やかな笑みだけを残して去り、若手の活躍を問われたはずの由伸監督は「長野も打ちましたよ?」と笑いながら33歳の健在ぶりをPRした。

 昨年のオープン戦は状態が上がらず、最後の最後でようやく打率2割台に乗せ、何とか開幕スタメンに名を連ねた。今年は陽と右翼のポジションを争い、ともに好調ならば「右翼・長野、中堅・陽」という布陣が濃厚だが、昨年と同じような状態ならばベンチ要員になりかねない。本人も競争意識はあるようで、これまで筋トレには見向きもしなかった男が、キャンプ中の練習後にはいつもウェート室にこもり、体を鍛えまくる日々を過ごした。

 オープン戦7試合で打率2割5分とまだ物足りない数字だが、二岡打撃コーチは「去年と比べれば状態はいい」と証言。グラウンドを一歩出ると無口モードを貫く長野も、試合中は“ヤジ隊長”として若手中心のベンチを盛り上げている。不振にあえいだ昨季中は「球場に行くのが憂鬱(ゆううつ)」とこぼすほど沈んでいたことを考えれば、この明るさは好調の印かもしれない。(尾形 圭亮)

巨人

×