【巨人】ゲレーロ“開幕前哨戦”で同点2号 由伸監督「一番助かる」

スポーツ報知
6回1死一塁、同点2ランを放ったゲレーロは、雄たけびを上げベンチに戻った(左は一塁走者・陽=カメラ・矢口 亨)

◆オープン戦 阪神6―3巨人(11日・甲子園)

 巨人・ゲレーロが“開幕前哨戦”で一発を放った。今季初の伝統の一戦となった阪神戦の6回にオープン戦2号となる一時同点の2ラン。30日の開幕戦の阪神戦(東京D)に向けて、4番候補が順調な仕上がりをアピールした。昨年、大きく負け越して4位に沈む原因となった1点差試合も、助っ人がいれば大丈夫。昨季本塁打キングが、巨人の野球を変える。

 打った瞬間、ゲレーロはスタンドインを確信したかのようにゆっくりと走り出した。手に残った確かな感触通り、打球が左中間席へ吸い込まれると、敵地はどよめきに包まれた。2点ビハインドの6回1死一塁。阪神・岩貞のスライダーを振り抜き、オープン戦2号となる同点2ランを放った。「感触はよかったね」。30日の開幕戦(東京D)の前哨戦で、価値ある一発を放った。

 一振りで流れを変えた。打線は初回に1点を先取したが、2~5回まで無安打無得点と沈黙。先発・中川は4回に3点を奪われ、逆転を許していた。そうした状況で生まれた一撃に、「それが自分の仕事だからね」。さらに4回から登板した岩貞は昨季は5試合で3勝1敗と相性がよかったが、16年は4戦3敗。苦戦した経験もあるだけに、今年初対戦で嫌な印象を植え付けることにも成功した。

 リーグ4位に沈んだ昨季、1点差試合では13勝27敗と大きく負け越した。打線にあと1本が生まれず、接戦をものにすることができなかった。しかし、昨季の本塁打王が加入したことでこの日のように一発で劣勢をはね返してくれるシーンは確実に増えるはず。本塁打の場面も、前を打つ吉川尚が無死一塁から走者を進められず三振に倒れた直後だった。由伸監督も「欲しいところでの一発。それは一番、ベンチとしては助かるというか、そこを求めて巨人に来てもらったわけだから。シーズンでまた期待したいね」とうなずいた。

 チームの期待に応えるために、ゲレーロは入念なケアを欠かさない。春季キャンプ中から毎日のように練習後はトレーナー室に足を運び、最善の準備を続けている。さらにこの日は初めて若手とともにチーム便よりも早く球場入りし、準備。巨人・阪神戦が「伝統の一戦」と呼ばれていることも「知っているよ」。静かに闘志を燃やした一戦で、最高の輝きを見せた。

 ただ、開幕まで残り2週間以上あることもあり、まだまだ状態を上げている段階であることも強調した。「微調整をもう少しという感じだね」。4番候補が、シーズン開幕とともにアーチを量産してくれるはずだ。(後藤 亮太)

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