【巨人】大城の新人離れした勝負強さ 代打で捕手で一塁で…由伸監督「いろんな使い方考えられる」

スポーツ報知
8回無死一、二塁、観戦する大分のファンの前で右前打を放つ大城(捕手・甲斐=カメラ・矢口 亨)

◆オープン戦 巨人8-7ソフトバンク(13日・大分)

 待ち構えていた“獲物”を、大城は完全に捉えた。8回無死一、二塁。野沢の外寄り直球を振り抜くと、鋭いライナーが右翼の芝で弾んだ。「前の打者が死球だったので、初球からいこうと決めていました」。ストライクを欲しがる投手心理を読み切った。好機を広げる一打は、続く田中俊のグランドスラムの呼び水となった。

 勝負強さは、新人離れしている。7回裏の守備から、小林に代わってマスクをかぶった。2打席目も大きな中飛を放つなど、パワーは十分に1軍級を証明。この日でオープン戦10打数5安打1本塁打2打点で打率5割と猛アピールを続けている。この日のように試合で回ってきた初めての打席で初球を振りにいくシーンも多く、その勇気を由伸監督も高く評価。パッと送り出されて結果を残す姿に「そういったところも何か、いろんな使い方が考えられるのかな、と」と起用法を巡らせる。

 現状では、左の代打として十分な存在感を発揮できるだろう。さらに正捕手・小林がこの日でオープン戦15打数1安打、打率0割6分7厘と調子は上がってきていない。背番号22は由伸監督から直接、軸足に体重を乗せる打法を教わるなどトンネルを抜けようともがいている。だが、このまま不調が続くようなら、シーズンでは試合展開によって早めに勝負手として小林の代打に立ち、途中からマスクをかぶることも考えられる。さらには一塁にも挑戦しようと、すでに自分のファーストミットを発注済み。可能性は大きく広がる。

 ただ、全ては捕手として試合を任せてもらえる守備力を認めさせられなければ、元も子もない話だ。大城自身もそれを分かっているからこそ「まだまだこれからです」と気を引き締める。ドラ3ルーキーのハードルは、次の段階へと移った。(西村 茂展)

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