【巨人】長野オープン戦1号 高橋監督も「いい1本が出たね」

スポーツ報知
7回1死二塁、長野が逆転の2ラン(カメラ・矢口 亨)

◆オープン戦 ソフトバンク2―4巨人(15日・福岡ヤフオクドーム)

 左膝にグッと力を入れた。長野は体勢が崩れないようにこらえ、“獲物”を手元まで呼び込んだ。放った強烈なライナーは、左翼ホームランテラス席へ飛び込んだ。オープン戦10試合、29打席目で飛び出した今季1号。左翼席のG党の大歓声にも、表情を変えずにダイヤモンドを回った。

 独特な軌道を、初見で捉えた。1点を追う7回1死二塁。アンダースローのドラ2ルーキー・高橋礼の113キロの低めのカーブをすくい上げた。逆転2ランで昨季日本一のソフトバンクを3タテ。オープン戦2位に浮上する原動力となった。それでも試合後は打撃のことには触れず「ライナーバックを反省して、寝ます」とひと言。9回1死満塁から大城の二直で飛び出し、帰塁できずに併殺となったシーンを猛省した。

 知らずのうちに、スラッガーの魂を揺さぶられていたのかもしれない。練習のウォーミングアップが始まる直前、ソフトバンクの柳田、デスパイネが並んで行っていたフリー打撃を観察した。両打者が軽々スタンド上段へ放り込む姿に「すげぇ。あんなとこまで飛ばすんだ…」と思わずつぶやいていた。植え付けられた一発のイメージを、試合で自ら体現してみせた。

 高橋監督は足に加えパンチ力も備える長野と陽のいずれかを1番打者に置くことを理想と話す。だが、昨季は共に大不振。実績ある両者と言えど、結果でその座を奪い取るしかない。状態を上げてきた背番号7に、指揮官も「いい1本が出たね」とうなずいた。昨季は序盤に打率1割台と苦しんだ男が、この神戸、九州遠征では5試合で15打数5安打、打率3割3分3厘、1本塁打、3打点。いよいよ“開花宣言”が聞こえて来た。(西村 茂展)

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