【巨人】大城卓三、阿部以来の新人開幕カード先発マスクも

スポーツ報知
初のスタメンマスクで田口を好リードした大城(左)(カメラ・矢口 亨)

◆オープン戦 西武1―2巨人(17日・メットライフドーム)

 巨人が西武に競り勝ち、オープン戦4連勝で首位に躍り出た。新人の大城が初めてスタメンでマスクをかぶり、2回に先制中犠飛。守っても先発・田口を7回4安打1失点と好リード。由伸監督も「落ち着いていた」と高評価だった。30日からの阪神との開幕3連戦で、チームの新人では01年の阿部以来となる先発マスクの可能性も浮上してきた。

 新たな可能性に、由伸監督のトーンが自然と上がった。西武に1点差で守りきったこの試合。スタメンマスクには新人の大城を初めて起用し、田口を7回4安打1失点と引っ張った。6回までは1安打に抑え込んだ。以前から打撃には高評価を与えていた指揮官だが「落ち着いていたというか、普通にと言ったらあれだけど、初めてスタメンでいったという感じはなかったね」と、目を細めた。

 左腕とは初コンビで、ブルペンでも一度も受けたことはなかった。それでも動じることなく、ベンチで毎イニングごとに会話して勉強し、修正した。この日の球審が外角のストライクゾーンが広いのをすぐに察知すると、緩急を使ってカウントをかせぎ、右打者には内角に食い込む“クロスファイア”で勝負した。「田口のコントロールが良かった。相手打線がすごいので話し合いながら緩急を使った。要求通り投げてくれました」と謙遜しつつ、「キャッチャーとして経験できたことが一番の収穫です」と手応えを口にした。

 貪欲な姿勢が結果につながっている。試合中は野手最年長・38歳阿部の近くを陣取り、積極的に質問する。「阿部さんだったら、この(左の)ピッチャーをどう待ちますか?」―。同じ左打者としての目線で聞き、同時に“捕手道”も学習。そんな大城を慎之助は「1年目なのにしっかりしている。バッティングの評価が高いけど、捕手としても十分やっていけるよ」と認め、成長を楽しみにしていた。

 もちろん、現時点で正捕手に一番近い存在は、小林だ。だが、オープン戦20打数1安打と結果は乏しく、15打数5安打の大城とは差が出つつある。村田ヘッドコーチは「本線はセイジ(小林)なんやけど、上がってこなきゃあるよ。十分使えるイメージはある」と強調した。攻守での貢献度からも、開幕2戦目で田口と組ませる可能性も浮上しており、指揮官は「田口に限らず、それ(先発マスク)はあると思うよ」とにおわせた。もしも、開幕3試合目までに先発マスクをかぶると、巨人の新人では01年の阿部以来の快挙になる。

 村田ヘッドは「ワンバウンドも止めていたし良かったな。監督が長いイニングを見たいと言うので今日いかせた」と舞台裏も披露。さらに「これがシーズンなら、あいつ(大城)が打ってあいつが守って勝った試合よ」とまで、べた褒めした。チームは4連勝でオープン戦首位。ちなみに、リーグ制覇した13年も首位で開幕を迎えた。現在、好調なチームをけん引しているのは、大城だ。この男、何かを持っているのかもしれない。(水井 基博)

 ◆大城 卓三(おおしろ・たくみ)1993年2月11日、沖縄・那覇市生まれ。25歳。東海大相模高で3年夏に甲子園準V。東海大、NTT西日本を経て昨年ドラフト3位で巨人入団。兄の昌士(現西部ガス)、双子の兄・建二(現トヨタ自動車)も東海大相模野球部出身。187センチ、89キロ。右投左打。年俸1000万円。

巨人

×