【巨人】上原が救う!投げる度に信頼度↑2戦連続0封

スポーツ報知
8回のマウンドに向かう上原(後方左から辻、菅野、谷岡、右端は小関コーチ=カメラ・泉 貫太)

◆オープン戦 巨人1―5楽天(23日・東京ドーム)

 投げる度に信頼度が増していった。球場に上原の名前がコールされると、大歓声が待っていた。5点ビハインドの8回にオープン戦2度目の登板。2死から茂木にスプリットを中前に落とされると、次の田中にもスプリットをバットの先に当てられ左前打とされ一、二塁。だが、最後は島内を高めの直球で遊ゴロで締めた。1回を23球、2安打無失点で2戦連続零封だ。

 強振してくるメジャーの打者との違いを、改めて感じ「(日本の打者は)空振りしない。嫌らしい。空振りがとれる(変化球の)キレがほしい」。前回、スピードガンの不具合で正確な数字が出なかった球速も最速139キロを計測し、スプリットもより効果的になった。由伸監督も「しっかりとボールを操ってたし、もっと精度も上がってくる」と不安視はしていない。

 斎藤投手総合コーチはこれまで、上原、沢村、マシソン、カミネロの4人を勝利の方程式でローテーションを組むことを示唆した。前回登板した20日の日本ハム戦では沢村―上原―マシソン―カミネロの継投。この日は沢村―マシソン―上原でカミネロと回すはずだったが、マシソンが5失点。オープン戦とあってマシソンを簡単に降ろさなかったが、シーズンならば連打を浴びた時に即座に上原を投入し、流れを切り替えることができる。

 昨季は先発陣が59勝46敗に対し、中継ぎ陣は13勝22敗。先発陣が託した勝利のバトンを落とすことが多かった。今年は上原の加入により中継ぎに厚みが増す。指揮官は「常に全員が抑えられるわけじゃない。こうして束になってくれればいい。マシソンもこういう日はあるよ」と期待。マシソンも「英語がとても上手。ナイスガイだよ。みんなが彼の投球に期待をしてるし、楽しみにしてる」とすでにチームに溶け込んでいることを明かした。

 試合中は菅野と則本の熱投にしびれたようで「素晴らしい…。見とれててしまったんで調整が遅れましたね。いいもの見させていただきました」と冗談も交えながら若き両軍エースに拍手を送った。4位からの巻き返しを託すのは打線だけじゃない。上原の加入で投手力でも試合を制する力がついたはずだ。(玉寄 穂波)

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