【巨人】菅野、開幕阪神戦へ万全０封！高速シンカー投げ分けに小林「理想的」とべた褒め

◆オープン戦　巨人１―５楽天（２３日・東京ドーム）

　１週間後にプロ野球開幕を控え、この日は全球団で開幕投手候補が先発した。巨人・菅野は楽天・則本と投げ合い、４回３安打無失点、６奪三振の快投。ペゲーロ、銀次ら楽天の左打者を料理し、開幕戦でぶつかる左の強打者ぞろいの阪神打線斬りへの予行を終えた。マシソンが５失点と炎上してオープン戦首位から陥落も、８回から登板した上原は１回無失点。巨人復帰後２度目のマウンドでまたも結果を残し、救援陣に厚みを持たせた。

　タイミングを完全に外した。菅野が無双の投球術で幻惑した。４回１死、銀次を外角低めに大きく落ちる新球・高速シンカーで空振り三振。「銀次さんは空振りを取ろうと、三振を狙って投げました」。バットコントロールのうまい左の好打者が体勢を崩し、当てることもできなかった。

　高速シンカーは決め球以外でも威力を発揮した。初回２死、左の島内の初球、１３７キロで投ゴロ。落ち幅を小さく調整して凡打を誘導した。「島内の時はど真ん中でいいと。真っすぐ（狙いで）１、２、３でくると思ったので。誠司（小林）も真ん中でいいよ、というジェスチャーをしていた。（同じシンカーでも）２つ使えると便利」と狙い通り１球で料理した。

　開幕前の最後の実戦で４回まで毎回の６奪三振無失点。最速１５１キロの球威、スライダーのキレも抜群で、昨年の交流戦で５回８失点した楽天打線を退けた。３０日の開幕戦（東京Ｄ）の相手、阪神は糸井、糸原、福留、高山、鳥谷と左打者５人の出場が予想されるが、この日は銀次、島内、ペゲーロらのべ９人の左と対戦して内野安打２本だけで、外野には飛ばなかった。「やるべきことは全てやったと思います」と予行演習は完璧に完了した。

　新球の高速シンカーはオフから様々な握りを試してきた。完全習得するだけでなく、状況により握りや腕の振りで複数の軌道を投げ分ける技術まで完成。小林は「今日は理想的。手応えもあります」と絶賛した。

　この日は、右打者の内角ボールゾーンから曲げるスライダー「インスラ」で嶋から三振も奪った。「僕たちは年間なので。菅野はインスラあるよ、というだけで（相手は）若干は意識すると思う。そうしたら外角（の見え方）が遠くなる。一人の選手でなく、チーム全体として意識すると思うので、それも目的の一つです」。高速シンカーも同じで、相手が意識するだけでより投球の幅が広がる。

　昨年は１７勝５敗、防御率１・５９で最多勝、最優秀防御率、沢村賞。オフも「飲み物には気をつけないと。なるべく砂糖が入っていないものを飲む」と高い意識で自己管理に努めてきた。

　「もう一度やってきたことを見つめ直して、整理して気持ちを高めて開幕戦を迎えるだけだと思います」

　進化したエースが、最高の状態でシーズンに入る。（片岡　優帆）