【巨人】沢村、打たれない!6戦7イニング自責ゼロ投球

スポーツ報知
8回から3番手で登板し、1イニングを無失点に抑えた沢村

◆オープン戦 巨人2―2楽天=9回規定により引き分け=(24日・東京ドーム)

 力感のないフォームから力強い球が放たれた。沢村の150キロが膝元にズバッと決まった。8回、先頭の銀次を内角低めの直球で見逃し三振。スプリットでファウルを取って追い込んだ後の3球勝負で、球威、制球ともに完璧だった。

 「中継ぎをやっている以上、2試合続けて投げることは当たり前ですから」

 1回無失点に抑えた前日23日の楽天戦(東京D)に続く登板。オープン自身6試合目で今年初の連投テストとなった。ストライク先行で、1回を無安打2奪三振無失点。スタミナ面でも全く問題なしをアピールした。斎藤投手総合コーチも「安心した。エイッ、ヤッっという感じ(の投げ方)じゃないのにピュッと球がいく」と変身ぶりに大きな期待を寄せた。

 昨年は右肩痛で1軍登板なし。これを機に、患部が完治した11月の秋季練習から継続して「脱力投法」の習得に取り組んだ。今キャンプは2軍だったが、必要以上に1軍の情報を耳に入れず、「今やれることをやること。しっかり投げられるように」と目の前のことに集中。ブルペンで1回30~40球程度の球数で連日投げ込み、力まず、強い球を投げる感覚を徹底的に追求してきた。

 地道な反復練習は結果に表れる。3月から1軍に昇格後、オープン戦6登板7イニングで8奪三振、四球は1つと制球が安定。味方の失策絡みの1失点だけで自責点は0、防御率0・00だ。完全復活を印象づけても「今日は今日、明日は明日で別ものなので」と常に練習に新たな気持ちで臨み、試合前の練習では入念に遠投。より高いレベルの安定感を貪欲に求めている。

カット有効利用 この日は新球カットボールも有効に使い、打者3人をわずか11球で料理した。フォームの力感が消えるとともに、思考も柔軟になり「しっかり考えて投げられている」と打者を分析しながらの冷静な投球が光る。

 現状、勝ちゲームの抑えはカミネロで、その前がマシソン、上原、沢村という構想だ。「しっかり練習して開幕を迎えられるようにしたいです」。イニングまたぎや連投など、どんな起用にも対応できる18年版の新スタイルが完成した。(片岡 優帆)

巨人

×