【巨人】上原、真っすぐに手応え3440日ぶり白星 

スポーツ報知
7回から登板、グラブを下げたフォームで投球する上原(カメラ・上村 尚平)

◆オープン戦 巨人4―3楽天(25日・東京ドーム)

 日本式に修正したフォームで躍動した。7回1死、上原は銀次を138キロ直球で詰まらせて左飛に打ち取った。1回打者3人9球で抑え、オープン戦全3登板無失点。「やり残したことばかり。不安の方が大きいかもしれない」と本音を見せたが、充実感も残った。

 前回23日の楽天戦(東京D)までは、左足を上げた時にグラブが膝の上にあった。だが、この日はおなかの前まで下がっていた。

 「2000年くらいのジャイアンツ時代のビデオを見ていじった。過去のビデオを見るタイプではないので初めて。日本のマウンドに対応しないといけないので。真っすぐの感じは前回より良くなったと思う」

 米国の硬いマウンドに比べて日本は土が軟らかいため、重心を下げて安定感を出す狙いだったようだ。

 99年同期入団で、ともにメジャーでプレーした中日・松坂が5回3失点と力投した。「今回(自身が)日本に帰ってきた理由の一つが、大輔が『ボロボロになってもやる』と言っていて、その一言に心を動かされた。互いに野球が好きなんだろうと思います」。20年目の今も向上心は尽きない。

 登板直後に味方が逆転し、日本では08年10月23日のCS第2ステージ第2戦の中日戦(東京D)以来3440日ぶりに白星もついた。同学年の由伸監督は「球場の雰囲気が変わるという点では、上原の存在は違った特別なものがあるのかもしれない」と、投げる度に存在感の大きさを口にする。

 球数が少なかったこともあり、登板後もブルペンで投げ込んだ。9日の入団会見から急ピッチで調整を進めるため、斎藤投手総合コーチは勝ちパターンの一人として期待しつつ、「(無理して開幕に合わせず)あと1、2週間くれと言ってもOKだよ、と言っている」と気遣うが、上原自身は開幕から行くつもりだ。

 「言い訳にならないですから。しっかり結果が出るようにしたい」と力強く前を向いた。(片岡 優帆)

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