【巨人】球団史上初!ドラ5田中俊&ドラ3大城、開幕W新人初安打

◆巨人1―5阪神(30日、東京ドーム)
期待のルーキーコンビから生まれた1点が、6年ぶりの開幕黒星を喫した一戦で光明となった。
5点を追う7回2死。開幕1軍スタートのドラフト5位・田中俊が代打で登場すると、6回まで打線が無得点に封じられてきたメッセンジャーから二塁への内野安打を放った。「点差もあったので気持ち的にガチガチという感じではなかった。ラッキーな形だったけど、結果的にヒットになってよかった」。広島で活躍する兄・広輔に負けない活躍を誓う男が、プロ初打席初安打で反撃の糸口を作った。
すると同期入団のドラフト3位・大城も続いた。菅野の代打で初打席に立つと、メッセンジャーの初球の外角フォークを迷うことなく振り抜き、2者連続安打。2死一、二塁から陽が中前適時打を放ち、18年シーズンの初得点が生まれた。大城は「積極的に打つことができた。2アウトから点を取れたのは相手からしたら嫌だと思う。よかったです」。巨人の新人で開幕戦で安打を記録したのは01年の阿部以来で、2人以上の新人の開幕初安打は球団初の偉業だった。
アマチュア時代の豊富な経験が、大舞台でも動じない強さになっている。共に東海大相模高、東海大でプレーし、1学年上の大城が3年夏の甲子園で準優勝すると、俊太は3年春のセンバツでV。東海大では共に主力として14年の全日本大学野球選手権で優勝に輝いた。
この日は開幕戦史上最多4万6318人を集めた伝統の一戦だったが、大城は「センバツの方が緊張しました」と振り返り、俊太も「いよいよ始まったなというのはあったけど、きっちり練習していたから、そこまであたふたしなかった」。培ってきた実力はプロの舞台でも十分に通用した。
この日は寮の昼食で赤飯、タイの尾頭付き、天ぷらが振る舞われた後、2人で球場入り。試合前練習中には母校の大先輩で前巨人監督の原辰徳氏の元へあいさつに行き「開幕1軍よかったな。頑張れよ」と言葉をもらい、気合を入れて臨んだ初戦で見事な働きを見せた。
次に向けて、大城は「明日以降も積極的なプレーは続けていきたい」と話し、俊太も「しっかり準備して、思い切りぶつかっていきたい」と同調。新戦力2人の活躍が、黒星スタートとなったシーズンに期待感を抱かせた。(後藤 亮太)
◆田中 俊太(たなか・しゅんた)1993年8月18日、神奈川・厚木市生まれ。24歳。東海大相模高では11年センバツで優勝し、東海大では14年の全日本大学選手権で優勝。日立製作所では16年都市対抗で準優勝し、新人賞にあたる「若獅子賞」を受賞。17年ドラフト5位で巨人入団。兄は広島の広輔。178センチ、80キロ。右投左打。年俸800万円。
◆大城 卓三(おおしろ・たくみ)1993年2月11日、沖縄・那覇市生まれ。25歳。東海大相模高で3年夏に甲子園準V。東海大、NTT西日本を経て、17年ドラフト3位で巨人入団。兄の昌士(現西部ガス)、双子の兄・建二(現トヨタ自動車)も東海大相模野球部出身。187センチ、89キロ。右投左打。年俸1000万円。