【巨人】菅野まさか…ワースト12被安打で開幕戦初黒星

スポーツ報知
3回2死一塁、大山に右越え2ランを打たれ、のけぞりながら打球の行方を追う菅野(左手前は一塁走者・福留=カメラ・酒井 悠一)

◆巨人1―5阪神(30日、東京ドーム)

 プロ野球がナイター6試合でセ・パ同時に開幕した。巨人の菅野は阪神相手に7回5失点。自身4度目の開幕戦で初黒星を喫した。

 2回、福留に左翼ポールを直撃する先制ソロ、3回には大山に右越え2ランを被弾。被安打12は自己ワーストだった。打線は8安打で1点どまり。開幕連勝は5で止まったが、ルーキーの田中俊と大城はともに代打でプロ初安打を放った。開幕戦では05年の実数発表後、東京D最多4万6318人が訪れた試合で、シーズンへの光明ものぞかせた。

 快音を残し、白球は右翼席に飛び込んだ。菅野の内角を狙った速球が真ん中付近に入り、大山に完璧にとらえられた。3回2死一塁から逆方向への2ラン。点差は4点に広がった。

 「逆球でしたし、あそこでホームランは一番やっちゃいけないことでした」

 2年ぶり4度目の開幕投手。初回は8球で3者凡退と球の走りは良く見えた。だが、2回に福留に外角の速球をうまく打たれ、左翼ポール直撃の先制ソロ。その後、下位打線の3連打から不運な内野安打も重なりさらに1失点した。中盤は粘って7回120球の力投も、プロ6年目で自己最多となる12安打を浴びた。

 「早打ちしてくるのは分かっていたのですが、阪神打線が意図のある攻撃というか、右打者は逆方向、左打者も狙い球を絞っている感じがした。今日はやられました。特に(3安打の)福留さんは全部いい当たり。一選手として情けない。(開幕戦を)143分の1とは考えていませんし、期待に応えられなかったのは悔しい。申し訳ないです」

 試合前の全体ミーティング。由伸監督の訓示の後、主将・坂本勇がナインの前に立って語気を強めた。

 「1年は長いですが、いい時も悪い時もあると思います。力強いチームメート、スタッフ、コーチがいます。全員で助け合いながら強いチームを作りましょう」

 菅野は昨季終了後に選手会長に就任。オフからチームを強くするため、何度も議論を交わしてきた坂本勇の言葉で気持ちが高まった。独特の緊張感の中で制球が微妙に狂い、別所毅彦、斎藤雅樹に並ぶ球団最多タイの開幕戦4勝目は逃した。それでも、表情を変えず最後まで攻めの姿勢を貫いた。「若い選手はマウンドでの立ち振る舞いを見ている」との言葉通りの姿だった。

 由伸監督は「ボールはそんなに悪くないと思った。誰もが緊張はあると思う」と振り返った。斎藤投手総合コーチは「全体的に球が高かった。甘いところを打たれた。菅野は制球が良いので、相手も狙ってきたんだと思う」と分析した。

 昨年は圧倒的な成績で沢村賞を獲得。今年は「20勝 200イニング」を掲げて強い覚悟を持って臨む。

 「5点取られましたが、その中でもプラス材料はあった。前を向いて、受け入れてやっていきます」

 打線は1得点とつながりを欠き、6年ぶりの開幕黒星スタートとなったが、田中俊、大城の初安打など光明もあった。絶対エースでも、こういう日はある。長いシーズンは始まったばかり。悲観する必要はない。(片岡 優帆)

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