【巨人】小林、10割V打「いつもなら代打」激走Vホームの吉川大に感謝
スポーツ報知

◆巨人8―4阪神(31日、東京ドーム)
思わずガッツポーズが出た。一塁塁上で右腕を突き上げた小林の視線の先、ベンチでは高橋監督が豪快なガッツポーズで応えてくれた。同点の7回1死一、二塁から桑原の外角スライダーを中前へ打ち返し、決勝のタイムリー。「あの当たりで大幾(吉川)がかえってきてくれた。感謝です」。ヒーローは味方の走塁に感謝したが、勝負を決めたのは正真正銘、小林だった。
昨季は打率2割6厘に終わり、今季のオープン戦も打率0割7分4厘と苦しんだ。お立ち台では「いつもなら代打を送られている場面なので…」と自虐的に切り出してファンの爆笑を誘ったが、「打席に立てたので、積極的に、来た球を打とうと思っていました。監督やコーチに教わったことを、打席の中で目いっぱい表現できるようにと思ってやっています」と胸を張った。
開幕戦では2打数2安打で好スタートを切り、この日も2打数2安打2四球。まだ2戦目ながら、打率は驚異の10割だ。村田ヘッドコーチは「代打? 出すのを忘れていただけ」と冗談めかしながら、「監督が『大丈夫』と信頼して送り出した。監督の眼力が当たったちゅうことや」と大喜び。その指揮官も「昨日、今日と、いいところでいい打撃をしてくれているし、少しずつだけど練習の成果が出ているのか、今後も出てほしい」とたたえた。
一方、守りでは反省もあった。開幕戦の菅野は7回5失点、この日の田口も6回途中4失点と阪神打線につかまり、左右のエースを白星へと導けなかった。「今日の試合も、昨日と同じように打たれてしまった。試合の中で修正していかないといけない」。大城ら今年の捕手陣は打力自慢がそろう。着実にたくましさを増している小林だが、攻守で気の抜けない戦いは続く。(尾形 圭亮)