【巨人】野上、移籍後初登板初勝利に「最高です」グラウンド内外で貫く自然体

スポーツ報知
ヒーローインタビューで、梨華夫人の質問に照れ笑いする移籍初勝利の野上

◆巨人3―2阪神(1日・東京ドーム)

 重圧から解放され、満面の笑みになった。野上はヒーローインタビューで開口一番「最高です」と喜びをかみしめた。お立ち台から見えるオレンジ一色のスタンド。移籍後初登板で初勝利を挙げ、巨人の一員となったことを実感した。

 「緊張した。独特の空気があって、これが伝統の一戦かと」。西武時代の阪神戦とは別物だった。2回に梅野に直球を右翼席、4回はロサリオにスライダーを左翼席へ運ばれた。それでも、イニング間のベンチ前のキャッチボールでは「指のかかりを確認するため」とたたきつけるようにワンバウンド投球。試合の中で修正し、6回途中まで2失点だけで踏ん張った。

 慣れない新天地でも自然体で自分流を貫いてきた。キャンプのブルペンでは、捕手に通常より5メートル後方に座ってもらって投球練習。「直球がたれない(落ちない)ようにするため」という珍しい練習法で、距離を長く取っても低く、伸びるような球質を追求。技巧派とも言われるが「しっかりした真っすぐを投げないと、変化球が生きない」と信念を曲げずに調整した。

 グラウンド外も飾らず自然体。田口ら後輩を積極的に食事に誘い交流した。若手が目を輝かせて、妻で元「モーニング娘。」の石川梨華についてファン目線で質問してきても、嫌な顔一つせず応じた。「一緒に外出する時は変装しますか? 食事は個室ですか?」と聞かれ「全然全然。個室がない居酒屋も行くし、映画も普通に見に行くよ」。FA移籍で加入し、壁を作らず、すぐに溶け込んだ。

 11勝した昨年は24登板で投球回が144。1試合平均6イニングだった。今年はもっと長い回を投げるという目標がある。「(捕手の)大城が強気に引っ張ってくれた。今日はみなさんに勝たせていただいた勝利です。いろんな人に感謝しないといけない」。謙虚に新たな野球人生の一歩を踏み出した。(片岡 優帆)

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