【巨人】岡本、2号逆転3ラン!8打点でリーグ2冠…自己紹介ギャグ封印

スポーツ報知
4回1死二、三塁、逆転左越え3ランを放った岡本(カメラ・清水 武)

◆巨人3―2阪神(1日・東京ドーム)

 巨人が阪神に2試合連続の逆転勝ち。開幕3連戦を2勝1敗とし6年連続で勝ち越した。ヒーローは岡本だ。2点を追う4回1死二、三塁、左翼席に2戦連発となる逆転3ランを叩き込んだ。先発した野上は6回途中を2失点とゲームメイク。西武から移籍後初登板を白星で飾った。救援陣も沢村―上原―カミネロが盤石の無失点リレー。3年目を迎えた由伸巨人が、まずは上々のスタートを切った。

 緩みそうになる顔を懸命にこらえ、岡本はピンと背筋を伸ばした。逆転3ランで試合を決めた後のお立ち台。以前は「奈良から来たジョニー・デップです」「帰ってきた反町隆史です」など、ギャグを織り交ぜるのがお決まりだったが、インタビュアーから「自己紹介を…」とあおられると、首を横に振った。

 「今年は気を引き締めているんで…やりません!」。ヒーローはちょっぴり無理をしたように言い、満員のスタンドを爆笑させた。

 完璧な仕事ぶりだった。2点を追う4回1死二、三塁。秋山の直球は高めのボールゾーンへ入ってきたかに見えたが、これをカチ上げた。大きな弧を描いた打球は東京Dの天井スレスレを通過し、長い滞空時間を経て左翼席へ飛び込んだ。「外野フライでも1点。低めを振らないように、高めに目付けして、うまく打てました」。前日はトドメの1号3ランを含め4安打5打点。2日間で叩き出した8打点こそが、最も分かりやすい自己紹介になった。開幕3試合を終え、2本塁打&8打点はリーグ2冠だ。

 開幕直前、背番号25の前任者である村田修一(BC栃木)から報道を通じて「『自分の背番号にするんだ』という強い気持ちでやってくれればいい」との激励メッセージをもらった。岡本も大砲の後継者として決意を伝えようと、村田の電話を鳴らした。「おい、こっちは毎朝5時起きだから、夜は早く寝てるんだよっ!」―。あの聞き慣れた、不機嫌そうなのにどこか優しい口調。近況を報告しているうちに不安は薄れ、自然と力がみなぎってきた。

 開幕戦こそ無安打だったが、2、3戦目は岡本の独壇場となった。由伸監督は「そんなにチャンスがたくさんあったわけではない中で、やっぱり本塁打というのは効果的。長距離バッターというかね、昨日もそうだけど、本当にいい本塁打だった」と絶賛。キャンプからポジション争いを繰り広げてきた阿部は「カズマ、何かつかんだなぁ」と認め、坂本勇も「岡本サンにつなげば何とかしてくれるんでね」とうれしそうだった。

 阪神との開幕カードを勝ち越し、3日からは敵地・ナゴヤDで中日3連戦が控える。「今まで、試合に出してもらって何もできなかったので、いいスタートが切れたと思います。次の試合も粘り強く、勝てるように頑張ります」。言葉は最後までよそよそしく控えめだったが、今年はバットで雄弁に語り尽くしてくれそうだ。(尾形 圭亮)

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