【巨人】山口俊、由伸監督誕生日は結果で恩返し…昨年予告先発回避したナゴヤDで今季初先発

スポーツ報知
中日戦に向けて、ナゴヤドームのマウンドでノックを受ける山口俊(右から野上、菅野=カメラ・矢口 亨)

 巨人・山口俊投手(30)が2日、再出発の先発マウンドで由伸監督にバースデー白星を贈る決意を示した。268日ぶりの公式戦となる3日の中日戦(ナゴヤD)は、指揮官と上原と沢村の誕生日。グラウンド外でのトラブルが発覚して予告先発を回避した昨年7月18日と同じナゴヤDが復帰の舞台となるが、「やるべきことをやるだけ」と強調。1年通して、強い気持ちで投げ  続ける覚悟を見せた。

 高揚感はない。山口俊は冷静だった。昨年7月9日の阪神戦(甲子園)以来の先発を翌日に控え、ナゴヤDで引き締まった表情で調整。何か月も前から相当な覚悟で準備を進めてきた。

 「この試合にかけるとかはないです。(自身の)開幕だからとかではなく、1月1日からずっとモチベーションを上げてきたので、その気持ちを1年間持ち続ける。そうすれば無駄な力みなんかないと思います」

 移籍1年目の昨年は右肩痛で出遅れ、4登板で1勝1敗。7月18日には予告先発当日にグラウンド外でのトラブルが発覚し、先発が高木勇に変更。偶然にも今回と同じナゴヤDでの中日戦だった。複雑な心境で帰京したあの時のことを、忘れるはずがない。だが、山口俊は多くを語らず、決意をグッと胸に秘める。

 「自分のやるべきことをやるだけなので。1年間戦う上で(今は)一つ目の階段。登板するたびに階段を上っていって、チームに貢献できればと思います」

 今年は2月のキャンプから好調を維持。3月14日のオープン戦・ソフトバンク戦(ヤフオクD)で151キロを計測して好投し、早々に開幕2カード目初戦の先発に決まった。由伸監督から6連戦の大事な初戦を託された。4月3日はその指揮官の43歳の誕生日。結果で恩返しするもりだ。

 「1イニングでも多く投げたい。僕がやれることは最少失点に抑えること。目の前の打者に集中して、守備から攻撃にいいリズムでつなげていきたいです」

 由伸監督はこの日、ナゴヤDで投手練習を視察。野手は休養日だったが、自らサードやレフトでノックを受け、新しくなった人工芝を確認した。誕生日については「いいよ別に。(同じ誕生日の)上原と沢村にしといて」とし、現役時代の誕生日の過ごし方について、「遠征だったら若い頃は上原と(食事に)行ったりしていた」と明かした。

 チームは本拠地で阪神との開幕カードに勝ち越し。いい雰囲気で名古屋に乗り込んだ。山口俊の再出発、由伸監督のバースデー勝利が勢いを加速させるはずだ。(片岡 優帆)

 ◆由伸監督のバースデー白星 就任1年目の16年4月3日、広島戦(マツダ)で延長12回の激闘を制して勝利。雨の中の采配で、3点リードの5回に、あと一人で勝利投手の権利という先発の今村を交代。同点の12回、立岡が勝ち越し二塁打を放ち、指揮官と同じく誕生日の沢村が勝利投手になった。昨年の4月3日は移動日で試合がなかった。

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