【巨人】ゲレーロ、元本拠地で移籍後初打点「チームにも、自分にとっても良かった」
スポーツ報知

◆中日2―3巨人(5日・ナゴヤドーム)
鋭いライナーが左翼の芝で弾む。ゲレーロは思い切り踏み込んで、振り抜いた。初回1死一、三塁。松坂の2ボール1ストライクからの4球目、外角低めのカットボールを捉えた。先取点をもたらす適時打は巨人移籍後6試合目、23打席目での初打点。「チームにとっても良かったと思うし、自分にとっても良かった。巨人に来て最初の打点だからね」。少しだけ、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。
平成の怪物に、先制パンチを浴びせた。互いのメジャー時代は対戦がなかったが「去年のオープン戦で打席に立っている」と記憶していた通り、中日時代の17年3月11日、ソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクD)で3打席1打数無安打2四死球。この日は対戦初安打を浴びせたが「いい投手です。変化球が素晴らしかった」と敬意を払った。
移籍後、初の古巣との対戦。特別な思いで乗り込んできた。試合前練習のウォーミングアップが始まる前には連日、中日の首脳陣、選手の元へ足を運んで、体を90度に折り曲げる深いお辞儀をしながら握手を交わした。森監督からは笑顔交じりに「裏切り者」呼ばわりされたりもしたが、それも全て愛された証拠。「きっと中日ファンは、僕に大きなブーイングを浴びせてくるだろうね」と覚悟していたが、プレー中はそういう声はほとんど聞こえてこなかった。「温かいファンでした」と頭を下げた。
これで開幕から6試合中5試合で安打を放つも、まだ一発はない。各チーム、執拗(しつよう)な内角攻めで徹底マークされる。「(本調子には)もうちょっとかな」と自己分析しつつ「焦らずにいきたい」。徐々に、量産態勢を整える。(西村 茂展)