【巨人】沢村・マシソン・上原・カミネロが初そろい踏み VS松坂で逃げ切り勝ち

スポーツ報知
8回を無失点に抑えた上原

◆中日2―3巨人(5日・ナゴヤドーム)

 巨人が中日に競り勝ち、開幕から2カード連続で勝ち越した。日本の1軍公式戦先発登板は12年ぶりとなる、松坂とのマッチアップ。初回、4番・ゲレーロの移籍後初打点となるタイムリーで先制すると、3回には併殺打の間に勝ち越し、失策で加点した。先発・大竹が5回1失点で降板後は、沢村、マシソン、上原、カミネロの鉄壁ブルペン4人衆「USA」が初のそろい踏み。1点差に迫られながらも逃げ切った。大竹は今季初勝利。カミネロが2セーブ目を挙げた。

 粘られても、それを上回る技術があった。上原が選んだのは真っ向勝負だった。1点リードの8回、先頭のアルモンテに低めのスプリットを見極められてフルカウント。絶対に四球を出したくない状況で、最後は外角136キロのストレートで空振り三振に抑えた。

 「おととい(3日)と同じメンバーだったので、スプリットが頭にあったと思う。しっかり抑えられたのは良かった。しびれますね」

 登場するだけで場内の雰囲気が変わるのは東京Dと同じ。6回の沢村、7回のマシソンからバトンを受けてマウンドに上がると、名古屋の巨人ファンから大歓声が起きた。2日前の3日と全く同じアルモンテ、ビシエド、福田という打順。三塁・中井の失策により、今季4登板目で初めて走者を背負ったが、「バウンドが変わったし、あのエラーはかわいそう」と冷静に後続を抑えて後輩を救った。

 3日に誕生日を迎えて43歳になった。プロ20年目。99年の巨人入団当初は、ここまで長く野球を続けるとは思いもしなかった。

 「想像できなかった。本当にプロ1年目に入った時も『まず3年間、2軍で一生懸命体を鍛えてから1軍で投げられたらいいな』というコメントをしていたと思う。それが1年目からきちっと投げさせてもらって(20勝)、ここまで来ることができた。けがももちろん多かったですが、周りの支えがあってのことです」

 感謝の気持ちを胸に、1年1年完全燃焼して積み重ねてきた。メジャーFA市場の歴史的停滞で米球界からのオファーがなく、10年ぶりに日本復帰。「大輔が『ボロボロになってもやる』と言っていて、その一言に心を動かされた」とメジャー時代から刺激し合ってきた松坂がこの日、12年ぶりの日本球界先発で力投。中日ファンも沸いたが、巨人もレジェンド・上原の快投でムードは最高潮に達した。

 9回は「上原は英語で話しかけてくれるし、日本語を教えてくれるナイスガイ。彼の存在は大きいよ」という守護神・カミネロが締めて1点差で逃げ切り。5回1失点の大竹の後、沢村、マシソン、上原、カミネロの4人が1イニングずつという超豪華リレーが初めて実現し、チームは2カード連続勝ち越し。由伸監督は「投手がみんなでよく頑張った」とねぎらった。

 斎藤投手総合コーチは「外国人(打者)にマシソンは制球ミスで一発―の可能性があったから、先に(下位打線からの7回)マシソンに行ってもらって、外国人にウエと思った」と説明した。状況によって柔軟な起用ができるのも、分厚いブルペンの強みだ。開幕から4登板、被安打0で無失点の上原の存在感が、投げるたびに増していく。(片岡 優帆)

 ◆上原と松坂 98年のドラフト1位同期生。ともに1年目から活躍し、99年のセ、パ新人王を獲得。同年の球宴第1戦でも先発した。上原の「雑草魂」、松坂の「リベンジ」は同年の流行語大賞。両者の国内公式戦での投げ合いは02年の日本シリーズ第1戦だけ。松坂は3回4失点で黒星。上原は1失点完投勝利。メジャーでは松坂が先発、上原が救援で登板した試合が2度。10年9月20日、Rソックス・松坂は7回途中4失点で黒星。オリオールズ・上原は9回を3者凡退で10セーブ目。11年5月16日は松坂が5回途中5失点KO(勝敗つかず)。上原は1回無失点と好投した。

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