【巨人】菅野、プロ初開幕連敗「結果が欲しい」

スポーツ報知
1回1死一、二塁、青木の先制適時二塁打で喜ぶベンチを背にガックリする菅野(カメラ・酒井 悠一)

◆ヤクルト6―0巨人(6日・神宮)

 エースよ、どうした…。巨人の菅野がヤクルト打線につかまり、6回5失点。6年目で自身初の開幕2連敗となった。1回に青木の二塁打や坂本勇の失策などで2点を先取され、5回には山田哲に1号ソロを被弾。7回5失点した阪神との開幕戦同様ゲームを作れず、16年から続けていた対ヤクルト戦の連勝は8で止まった。打線はブキャナンに8回無失点の好投を許し、今季初の完封負け。選手会長・菅野の苦悩を番記者の片岡優帆記者が「見た」で迫った。

 現実をしっかり受け止めた。菅野がプロ6年目で初の開幕2連敗。悔しくないはずがない。それでも、試合後は前を向いて取材に応じ、現状をこう明かした。

 「良くはないですが、特別、メチャメチャ悪いというわけじゃない。結果が欲しい部分もあるのでなかなか難しいところもある。やりたいこと、やらなきゃいけないことは頭では分かっているのですが、なかなか体と連動してくれない」

 3月30日の阪神戦(東京D)で7回12安打5失点。今年は選手会長に就任し、「相当な覚悟と決意を持って臨む」と挑んだ開幕戦で黒星がついた。責任感の人一倍強いエース。この日は何とかしたい、という強い気持ちが、序盤から微妙な制球のズレを生んだのかもしれない。どこかを故障しているわけではない。心技体の全てを一致させることがどれほど難しいことなのかを、見ていて痛感した。

 菅野が本調子でないのもあるが、私はヤクルトのすさまじい執念を感じた。攻撃中は若手だけでなく、畠山、バレンティン、石井打撃コーチらが1球1球大声を出し、ネット裏の記者席まで聞こえてきた。昨年と比較にならない活気があった。山田哲は勇気を持って踏み込み本塁打。先制打の青木は打席ごとに足の上げ方を変えていた。初回に菅野が37球を要したように、簡単にアウトにならないし、甘い球を逃さない。打線全体が束になり、絶対的な技術を持つ菅野に、考えさせているように見えた。

 昨年は17勝5敗、防御率1・59で沢村賞。ヤクルト戦は5戦5勝、防御率0・23で、16年から8連勝中だった。相手がより対策してくるのは、本人は以前から覚悟して調整してきた。「他球団からの目も厳しくなると思うので、厳しい1年になる。しっかり決意を持って迎えたい」と話していた。開幕戦の阪神打線も必死に食らいついてきた。

 「ちょっと良くない投球が続いていますけど、長い野球人生の糧とできるように、これからチームに貢献できるように頑張ります」

 予期せぬスタートになったのは事実だが、まだ2試合、シーズンは始まったばかりだ。昨年までプロ通算防御率2・18の男が、このまま終わるはずがない。反省を生かし、巻き返してくれると信じている。(片岡 優帆)

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