【巨人】小林のシーズン初満弾&猛打賞も逆転負け

スポーツ報知
3回2死、小林が左越えに満塁本塁打を放つ(捕手・中村=カメラ・酒井 悠一)

◆ヤクルト15―8巨人(7日・神宮)

 歓声とどよめきが交錯する中、打球は左翼席へ吸い込まれた。小林は三塁を回ったところで両手を力強くたたいた。3回、1点差に迫り、なおも2死満塁。石川のチェンジアップを捉え、一時逆転となる1号満塁弾を放った。「たまたまです。風もあったので」と振り返ったが、オープン戦も含めれば1年目の14年3月10日・阪神戦(伊勢)以来、シーズンでは5年目で初のグランドスラムだ。

 勢いは止まらない。5回と7回に右前安打を放ち、今季初の猛打賞。7打席連続で出塁し、スタメン出場した6戦中4戦でマルチ安打。規定打席には4打席足りないが、打率は驚異の6割6分7厘だ。

 危機感が小林を突き動かしている。昨季はゴールデン・グラブ賞を受賞したが、打率は規定打席到達者の中で12球団ワーストの2割6厘。今季は強打が武器の大城が加入し、チーム内での競争が激化している。「どんどんいい選手が入ってくるのがプロの世界。強い覚悟を持っていかないと生き残れない世界ですから」。年明け早々1月5日からサイパンでフリー打撃を解禁するなど、春季キャンプから徹底的に振り込んできた。オープン戦では打率7分4厘だったが、力強い打撃で成長の跡をしるしている。

 ただ、試合後は厳しい表情。コンビを組んだ先発・田口が打ち込まれ「僕が最初から攻める気持ちを示せたらよかった」と悔しさをにじませた。逆転満塁弾が出たのにチームが敗れたのは、03年7月9日ヤクルト戦のペタジーニ以来だった。(後藤 亮太)

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