【巨人】由伸政権最悪の9年ぶり15失点、今季初の連敗で初負け越し

スポーツ報知
3回1死、6失点し降板する先発の田口(右)(カメラ・中島 傑)

◆ヤクルト15―8巨人(7日・神宮)

 巨人・田口がヤクルト打線に猛打を浴びて、2回1/3を6失点。プロ入り自己最短KOを食らった。初回に3連続四球から4失点。逆転した直後に失点するなど、試合運びのつたなさを露呈した。4投手全員が失点して、チーム9年ぶりの15失点。貯金がなくなった。満塁弾で気を吐いた小林を筆頭に打線は振れているが、菅野、田口の「2本柱」の復調なくして進撃は見込めない。

 無残な数字が刻まれたスコアボードを横目に、田口は力なくクラブハウスへと歩みを進めた。「全然ダメです。話になりません」。自己最短となる2回1/3を6安打6失点。チームは8―15で初の連敗を喫した。15失点以上は、09年5月19日の日本ハム戦(札幌D)で16失点して以来。その責任を一身に背負った。

 立ち直れなかった。初回、先頭の山田哲から3連続四球を与えるなど、制球を乱して4失点。3回に小林の満塁弾など打者一巡の猛攻で逆転し、さあ、ここから―。誰もが気合を入れ直したその裏、あっさり荒木に2ランを許し、1点差とされた。高橋監督は「何とか(味方が点を)取った後は頑張ってほしかった」と、ここがターニングポイントだったと指摘した。田口も「(課題は)全部です。悪い流れになってしまった」と猛省したように、左のエースがあっさり相手を勢いづかせては、逆転を許した谷岡や、6失点の高木を責めるのも酷な話だろう。

 2本柱が波に乗れない。昨季17勝の菅野、13勝の田口がともに2戦連続で本来の姿を見せられない。指揮官が「(調子が)いいとか悪いとかじゃない。悪くてもそれなりには投げてもらわなくちゃ困る」と信頼を置く2人。昨季14勝を挙げて退団したマイコラスの穴を「いる者でカバーする」という指揮官の思考も、全ては菅野、田口の“額面通り”の働きがあってこそだ。両投手の早めの復調なくして4年ぶりV奪回はあり得ない。

 この日は、10年に死去した木村拓也元コーチの命日。勝ちたかった試合を落とし、初のカード負け越しが決まった。試合後、田口は他の選手が帰り始めた駐車場でタオルを握りしめ、シャドーピッチングを繰り返した。やり返す―。強い思いを、次は結果に結びつける。(西村 茂展)

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