【巨人】由伸監督、魔の初回で3連敗…13年ぶり5戦連続失点

スポーツ報知
序盤からリードされる展開に自慢のリリーフ陣も出番なく、ブルペンから戦況を見守る(右から)上原、マシソン、篠原、田原(左手前はマギー=カメラ・清水 武)

◆ヤクルト7―4巨人(8日・神宮)試合詳細

 巨人は先発の野上が6回途中5失点の乱調、一時は2度同点に追いついたものの、昨季リーグ最下位のヤクルトに2年ぶりとなる同一カード3連敗を喫した。最近5試合連続で先発陣が初回に失点を許す展開で、防御率もリーグ最下位。借金1と勢いに乗れず、勝利の方程式につなぐまでの課題が浮き彫りとなった。

 打たれた瞬間、野上は天を見上げた。痛烈な打球が左中間を襲う。同点の6回無死。先頭・荒木に二塁打を浴びたところで、ベンチから出てくる高橋監督を視界に捉えた。5回0/3を6安打5失点での降板に「大事な試合だった。チームにも、(沢村)拓一にも本当に申し訳ない」と肩を落とした。救援した沢村が1死三塁から広岡に決勝の中犠飛を許し、野上は巨人に移籍後の初黒星を喫した。

 序盤からリズムに乗れない試合が続く。初回、山田哲を四球で歩かせる。盗塁と犠打で1死三塁からバレンティンの遊ゴロの間に無安打で先取点を献上した。5試合連続の初回失点は、開幕戦から5試合続いた05年以来13年ぶり。その間、4度の先制を許した。由伸監督も「立ち上がりなんで難しいかもしれないが、でもそれ(先発)はそういう役割だからね」と指摘する。

 追いかける展開が多くなれば、投手への早めの代打も含め、試合のプランが狂うのも必然だ。開幕から9試合で、先発投手の好投の指標とされるクオリティー・スタート(6回以上、自責3以下)を達成したのは、3日の中日戦(ナゴヤD)で6回3失点の山口俊だけ。そもそも6回以上を投げたのがその山口俊と、エース菅野が2度の計3度のみ。首脳陣は上原、沢村、マシソン、カミネロの勝利の方程式「USA」のうちの3人で7、8、9回を封じるリレーを理想としているだけに、先発陣にあと一歩の粘りが必要な状況だ。チーム防御率が5・49とリーグ最下位なのも、先発の不調と無縁ではない。

 打線は2度のビハインドを追いついただけに、もったいなさは際立つ。昨季は17勝8敗と大きく勝ち越したヤクルトに、16年4月30日~5月2日以来2年ぶりの同一カード3連敗を喫し、借金は1となった。「毎日、いったん試合は終わるんだから。また明後日(10日)から」と指揮官も切り替えを強調した。10日からはDeNA、広島と本拠での6連戦となるだけに、再出発としても準備はしやすい。長いペナントレース、見つかった課題を確実に、早めに解消していくだけだ。(西村 茂展)

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